エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1220
2022.11.19 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
GIGABYTE「B650M AORUS ELITE AX」 市場想定売価税込44,000円(10月24日発売) 製品情報(GIGABYTE) |
10月にAMD B650E/B650を搭載するマザーボードが発売されたことで、Ryzen 7000シリーズを巡る自作の選択肢は大きく広がったと言える。AMD X670E/X670マザーボードが安くても5万円程度だった価格面のネックが解消され、3万円前後から購入できるようになった。ハイクラスの製品も4万円台半ばほどに収まっており、グレードの高いマザーボードもより手に取りやすくなったというわけだ。
AMD B650チップ搭載のハイグレードモデルとして、10月末にGIGABYTEから発売された「B650M AORUS ELITE AX」が今回の主役だ |
今回はそうしたハイクラスのAMD B650マザーボードから、GIGABYTEの「B650M AORUS ELITE AX」をチョイスした。最大60A Power Stageによる12+2+1フェーズ電源回路を搭載、それをヒートパイプで連結された巨大なヒートシンクで冷却する、信頼性に優れたMicroATXモデルだ。
「フルカバー放熱設計」と呼称された冷却機構は、電源モジュールの温度を3%以上低下させる効果をもつ大規模なもの。高負荷時でも電源回路の温度を低く保つことで、Ryzen 7000シリーズのターボブーストとオーバークロック性能を最大限に引き出すことを狙っている。
また基板設計には、通常の2倍にあたる0.07mm厚の銅箔層を用いた、8層構造の低損失PCBを採用。こうした充実の装備や部材を備えつつ、AMD X670E/X670マザーボードの低価格モデルより手頃な価格で購入可能という、お買い得感が魅力だ。
強靭な電源回路と大がかりな冷却機構、充実した機能が揃っている。コンパクトなMicroATXモデルとあって、ATXモデルよりさらに手頃な価格で購入できる点も注目だ |
メモリは最大6,666MHzのDDR5メモリが使用可能なほか、ストレージはPCI Express 5.0(x4)を含む2基のM.2スロットを搭載。そう遠くない将来に発売されるであろう、最大10,000MB/s前後の次世代SSDも運用できる。これらM.2スロットには専用ヒートシンクの「M.2 Thermal Guard」を標準装備、ネジ不要でSSDをロックできる便利機能の「M.2 EZ-Latch」にも注目だ。
拡張スロットは、重量級グラフィックスカード用にシールド補強を施した「Ultra Durable Armor」仕様のPCI Express 4.0(x16)スロットを実装。ネットワークは2.5ギガビット有線LANとWi-Fi 6Eをサポート、音響コンデンサを採用した高音質オーディオ回路などを備えている。
パッケージはMicroATXらしいコンパクトサイズ。表側は「AORUS」シリーズのイーグルをモチーフにしたデザインで、裏面には主要なトピックと基本仕様がまとめられている |
ちなみに「B650M AORUS ELITE AX」は、Wi-Fiモジュールの仕様が異なる2つのリビジョンが存在し、同時に販売されている。「rev. 1.0」はAMD RZ616、「rev. 1.1」はIntel AX210を搭載しており、今回編集部に届けられた評価サンプルは「rev. 1.0」の製品だった。
製品を購入する際は、一部仕様の異なる2つのリビジョンが併売されている点(ショップによる)に留意する必要がある |