エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1233
2022.12.26 更新
文:藤田 忠/撮影:pepe
テストセッションの最後は、「G-Master Hydro Z790 Extreme/D5」の冷却性能や、静音性、消費電力といった実使用時に、気になる点を確認していこう。
ストレステストには、「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」と、「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を利用。温度や動作クロックなどは「HWiNFO64 Pro」を使用して記録している。「CINEBENCH R23」実行時のCPU温度は”CPU Package [°C]”、動作クロックは”P-core 0 Clock [MHz]”、”E-core 8 Clock [MHz]”としている。
「CINEBENCH R23」実行直後は、PL2が無制限の4095Wに設定されているため、Pコアは5,500MHz、Eコア4,300MHzで動作しているが、すぐにPL1の125W制限下に移行。Pコアは4,200~4,300MHz、Eコアは3,300MHz動作に下がり、CPUコア温度は50℃台での推移になっている。季節柄、室温は15~17℃なのを加味しても、360mmラジエーター搭載水冷「Celsius S36」の冷却性能には、十分な余力が残っている。
続けて「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を確認しよう。テスト実行中のCPU温度、動作クロックの推移に加えて、GPU温度”GPU Temperature [°C]”、”GPU Hot Spot Temperature [°C]”、ラジエーターファン回転数”GPU Fan1 [RPM]”、VGAクーラーファン回転数”GPU Fan2 [RPM]”を見ていこう。
ゲーミングストレステスト「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」実行中のCPU負荷は32スレッドに分散されるため、低めだ。PL1 125W制御下ながら、動作クロックもPコア 5,500MHz、Eコア 4,300MHzの高クロックで推移し、CPU温度は40~50℃台で推移している。
CPUよりも高負荷がかかるグラフィックスカードの温度は、240mmラジエーター&VGAクーラーの3連ファンで、GPUコア72.3℃、ホットスポット87.6℃に抑えこんでいる。
続いてはストレステスト実行中の騒音値を確認していこう。測定は机下に設置した際に頭が位置することになるPCケースフロントのトップから左斜め上に60cm程度の位置で行っている。
Core i9-13900Kの電力リミットや、十分な静音性を確保するPCケース「Define 7」の採用、Noctuaファンを組み合わせたグラフィックス用水冷ユニットで、超ド級スペックながら36dBA台の高い静音性を発揮している。
最後に「G-Master Hydro Z790 Extreme/D5」の消費電力を確認して、テストセッションを締めくくろう。OS起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時、ストレステスト実行中の最高値をまとめている。消費電力はラトックのWi-Fi接続ワットチェッカー「RS-WFWATTCH1」で確認している。
CPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」実行時は最高253Wだが、125W制限下では210W台までダウンしていた。実ゲーミングを想定した「3DMark」実行時は、TGPが450WのGeForce RTX 4090に100%負荷がかかるため、消費電力は610Wに達している。評価機の「G-Master Hydro Z790 Extreme/D5」は、電源ユニットが容量1000Wにカスタマイズされているので、動作にまったく不安はないが、ゲーミング中の負荷は容量の50%を超えていた。
ロマン溢れるデュアル水冷に加え、4Kゲーミングを実現するGeForce RTX 4090グラフィックスカードと、24コア/32スレッドCPUのCore i9-13900Kを搭載した超ド級スペックとなる「G-Master Hydro Z790 Extreme/D5」。その圧倒的パフォーマンスを静かに発揮する高い静音性は、非常に魅力的だ。価格も60万円超えとスゴいが、高解像度&レイトレーシングでの高精細でリアルな描画でのゲーミングと、32スレッドを活かしたクリエイティブ作業を長く快適に行えること間違いない。
サイコム「G-Master Hydro Z790 Extreme/D5」。基本構成を含め、注目の1台だ |
GeForce RTX 4090だけでなく、「G-Master Hydro Z790 Extreme/D5」は、オリジネル水冷仕様のGeForce RTX 3070 Ti/RTX 3080/RTX 4080へのBTOカスタマイズに対応している。CPUや、ストレージとDDR5メモリの容量増加などを含め、じっくりと考えて、憧れのデュアル水冷マシンを手にしよう。
協力:株式会社サイコム