エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1234
2022.12.28 更新
文:編集部 Tawashi/撮影:pepe
ここからは実際に動作させながら動画を交えて「XG256Q」のパフォーマンスをチェックしていく。検証用PCとして用意したのは、10コア20スレッドのIntel Core i9-10900KとGeForce RTX 3080を搭載したPCで、最大180Hzのリフレッシュレートを検証するには十分なスペックだろう。
液晶パネルに従来のIPSパネルよりも最大4倍高速でスイッチング動作する独自のASUS Fast IPSを採用する「XG256Q」。画面全体の均一性は高くフレーム端の輝度低下が抑えられている。視野角は水平/垂直178°と広く、とくに水平方向の画質変化に強い印象だ。発色の良さや色再現性の高さはIPSパネル特有のもので、TN方式などのパネルを採用するモデルに比べるとその差は際立っている。
また、PS5やXbox Series Xといった最新のコンシューマゲーム機では、対応するゲームタイトルで120FPSの出力が可能。PCのゲームだけではなく、コンシューマゲーム機でもなめらかなゲームを楽しむことができる。
なお、リフレッシュレートを最大の180Hzに設定し動作時の消費電力をワットチェッカーで計測したところ、PC起動後10分間放置したアイドル時、ゲームプレイ時ともに22W、リフレッシュレートを60Hzに設定した際の省電力モード時は17W、標準モード時は20Wを記録した。
ASUS独自の「Dynamic Shadow Boost」は、ディスプレイのガンマ曲線を調整して暗色を鮮明にし、暗いシーンや被写体を見やすくすることができる機能だ。画面の明るさを一律で調整する輝度調整とは異なり、エリアの明るさを最適化することで画面全体の視覚体験を向上させるゲーム向け機能となっている。設定は「None/Level1/Level2/Level3/Dynamic Adjustment」の5段階が用意されている。
「エルデンリング」で検証した様子が下記の動画だ。設定「None」と「Dynamic Adjustment」を比較するとその効果は歴然。暗いシーンが多いタイトルで威力を発揮するはもちろん、「フォートナイト」や「Apex Legends」など、一瞬の判断が勝敗に直結するバトロワ系でも、室内戦闘など暗めのステージでは有効な機能になる。個人的にはゲームをする際は常時明るめの設定がオススメだ。
リフレッシュレートの違いを体感するために、レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用し、リフレッシュレート60Hz/120Hz/180Hzでそれぞれの違いを比較する。テストではディスプレイ同期を有効化するとともに、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影した。
リフレッシュレートが高速になればなるほどコマ送り感が減少し、より滑らかな映像に近づくことが分かる。180Hz動作においても、負荷を高めることで発生しがちなオーバーシュートや破綻はなく、ASUSのFast IPSによる高速な応答性も相まって、極めて低残像で高速な描画を実現している。
続いてディスプレイ同期を無効にすると、どのような影響がでるか見ていこう。リフレッシュレートを180Hzと固定した状態で、ディスプレイ同期を有効化するとともに、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
ディスプレイ同期をOFFにすると、それまでは全く問題なかった描画で水平方向にせん断されたようなズレが確認できるようになる。180Hzという高速リフレッシュレートの恩恵もあり、ズレはスロー再生でも一瞬だが、安定したFPSを維持できるPCなら、破綻のない完璧な画質でプレイするためにも積極的にディスプレイ同期の利用を推奨したい。