エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1235
2022.12.30 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
各種ベンチマークテストによるパフォーマンス検証を終えたところで、「GeForce RTX 4080 16GB SUPRIM X」のトレードマークたる「TRI-FROZR 3S」の冷却性能にフォーカス。負荷をかけた際にしっかりGeForce RTX 4080を冷やし切れているのかを見ていこう。なお計測に際しては、3Dベンチマーク「3DMark」に搭載されているストレステストの「3DMark Speed Way Stress Test」を使用している。
GPU温度は60℃前後を安定して維持する優秀なもので、ファンの稼働率は50%未満。その状態で最大クロックの2,800MHz前後を常時キープできていた。動作音もほとんど気にならず、「TRI-FROZR 3S」はGeForce RTX 4080の発熱を静粛に冷やし切れていることが分かった。
最後は「GeForce RTX 4080 16GB SUPRIM X」が動作中に消費している電力をチェック、各種テストセッションを締めくくろう。先ほどと同様、計測に際してはストレステストの「3DMark Speed Way Stress Test」をチョイス。テスト動作時における最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時としてワットチェッカーによる計測を行った。
アイドル時は90W未満であり、ハイエンドマシンとしては許容範囲内だろう。高負荷時も500Wを大きく割り込む460Wで動作、オーバークロックモデルながら負担は大きくない。推奨の電源容量は850Wとされているが、既存環境への組み込みを想定している場合、電源ユニットのアップグレードはそれほど急がなくともよさそうだ。
現実的に4Kゲーミングが遊べる優秀なパフォーマンスがあり、人気タイトルへの普及が進むレイトレーシング機能では特に大幅な進化を遂げたGeForce RTX 4080。ハイスペックを要求するハードコアゲーマーにとって注目の存在であり、年末年始を通して購入を目論んでいる人もいることだろう。
その点ローンチからやや間が空いたことで、価格が落ち着いてきている点は好材料。新たに競合として立ちはだかるRadeon RX 7900 XTXはコストパフォーマンスの高さも話題になっているだけに、もう一声価格がこなれてくれば、性能面でのアドバンテージから優位を確立できそうだ。
そして数あるGeForce RTX 4080グラフィックスカードの中でも、“MSI史上最高の空冷システム”を備える「GeForce RTX 4080 16GB SUPRIM X」は、一段上の存在であることは間違いない。レベルの違う上位GPUの発熱を抑え込む「TRI-FROZR 3S」クーラーと同一構造を採用したことで、余裕たっぷりの稼働率ながら、リファレンスを300MHz前後上回る高クロック動作を安定してキープできていた。静粛性も申し分なく、極めて完成度の高いグラフィックスカードであることが実感できた。
センスあふれる秀逸なカードデザインもトピックで、派手すぎる装飾を避けたい向きにもオススメ。優れた性能や搭載機能に加え、文句なしのビジュアルも併せ持つ要チェックなハイエンドモデルと言える。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社