エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1237
2023.01.03 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ゲーム系のベンチマークが一段落したところで消費電力を確認していこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、高負荷時は「CINEBENCH R23:10 minitues」実行時の値を採用している。
今回はPower Limit値をPL1/PL2とも無制限に設定していること。そしてCPUの冷却性能やマザーボードの電源回路にも余裕があることから、Core i7-13700ではPockage Powerは最大300W超え、消費電力も最大で397.6Wを記録した。その分パフォーマンスも優秀だが、65Wモデルのメリットを生かした省電力PCを構築する場合には消費電力や発熱が多すぎる。そこで「CPU Cooler Tuning」から「Boxed Cooler(PL1:65W)」を選択して、CPUの既定値通りにしたところ、消費電力は最大130.4Wまで一気に低下した。この状態だと「CINEBENCH R23」のマルチコアテストのスコアは約65%前後まで低下してしまうが、シングルコアテストのスコアにはほとんど違いなし。「ファイナルファンタジーXIV︓暁月のフィナーレ」のフルHDのスコアもほぼ誤差の範囲に留まった。
またCore i5-13400についてはPower Limitが無制限でもPackage Powerは90W前後で頭打ちとなり、消費電力は最高でも145.4Wに留まる。さらに「CPU Cooler Tuning」を「Boxed Cooler(PL1:65W)」にすると119.4Wまで消費電力が低下する。ベンチマークのスコアも「CINEBENCH R23」「ファイナルファンタジーXIV︓暁月のフィナーレ」とも大きな差がないことから、Core i5-13400については既定値通りのPower Limitで動作させるのがいいだろう。
Core i7-13700とCore i5-13400に付属するリテールクーラー「Laminar RM1」でも検証を実施 |
最後にCPUの温度を確認しておこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、高負荷時は「CINEBENCH R23:10 minitues」実行時の値を採用し、Core i7-13700の「Boxed Cooler(PL1:65W)」設定とCore i5-13400では、リテールクーラー「Laminar RM1」を使用した状態でも計測を実施している。
CPUの温度を確認するとPackage Powerが最大300Wを超えるCore i7-13700の無制限設定では、360mmラジエーターを使用するオールインワン型水冷ユニットでもストレステスト中はほぼ100℃に張り付いた状態だ。しかし、Power LimitをCPUの既定値に変更することでオールインワン型水冷ユニット使用時は最高52℃、リテールクーラーでも最高82℃までしか上がらなかった。またCore i5-13400については、無制限設定でもオールインワン型水冷ユニット使用時は最高53℃、リテールクーラーでも最高82℃で、無制限設定でも別途CPUクーラーを用意する必要はないだろう。
今回は、第13世代Intel Coreプロセッサの追加ラインナップとしてデビューした「Non-K」モデルからCore i7-13700とCore i5-13400の検証を進めてきた。ハイエンドモデルのCore i7-13700については、最新コアである「Raptor Cove」+改良版「Gracemont」の組み合わせであること。そしてEコアが2倍に増量されていることもあり、すべてのベンチマークでCore i7-12700Kから上積みがあった。
特にマルチスレッド性能は優秀で、Power Limitを無制限にすればCore i7-13700Kの代替えとして十分な性能を備えている。またPower Limitを規定通りにすることで、シングルスレッド性能を維持しながら大幅に消費電力を抑えられるためコンパクトなゲーミングPCのベースとしても力を発揮してくれる。
そしてCore i5-13400だが、こちらCPUコアの構成が「Golden Cove」+「Gracemont」のままのためシングルスレッドやゲーム性能については過度の期待は禁物。しかし、Eコアが追加されたことでマルチスレッド性能は最大約30%と大幅に向上している。それでいて消費電力はCore i5-12400Fから微増に留まることから、現在「Non-K」モデルのCore i5を使用していて、動画の編集や、ゲームをプレイしながらの配信などマルチスレッド性能に不満があるなら、アップグレードパスとして良い選択肢になるだろう。