エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1238
2023.01.04 更新
文:撮影・藤田 忠/編集・松枝 清顕(編集部) 池西 樹(編集部)
ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti 12GB AMP Extreme AIRO」 |
2023年早々に発売が解禁されることになったNVIDIAの新GPU「GeForce RTX4070 Ti」。第3世代RTコアや第4世代Tensorコア、第3世代超解像技術「DLSS 3」等に対応する最新アーキテクチャ「Ada Lovelace」を採用するハイエンドクラスの製品で、立ち位置としては昨年11月に登場したGeForce RTX 4080の下位モデルになる。
そしてすでにピンときている人もいるであろうが、その正体は昨年9月の「GTC 2022」で発表されながら、スペックが大きく異なることから“同じ型番では混乱を招く可能性がある”としてキャンセルされた「GeForce RTX 4080 12GB版」というわけだ。
発表当初GeForce RTX 4080は、16GB版と12GB版があったが、12GB版は同じ製品名では混乱を招くとして、土壇場で発売がキャンセルに |
製造プロセスは従来モデルと同じTSMC 4Nカスタムプロセスだが、GPUコアにはSM数60基、CUDAコア数7,680基の「AD104」を採用。トランジスタ数は358億とされ、フラッグシップであるGeForce RTX 4090(SM数128基/CUDAコア数16,384基/トランジスタ数763億)からは半分以下、GeForce RTX 4080(SM数76基/CUDAコア数9,728基/トランジスタ数459億)との比較でも7割強の規模に縮小された。
「GeForce RTX 4070 Ti」(画像上)とフルバージョンの「AD104」(下)のブロックダイアグラム図。SM数は同じだが、「GeForce RTX 4070 Ti」では「NVENC」ユニットが半分に削減されている |
そしてメモリバス幅もこのクラスの製品としては珍しく192bitへ削減され、メモリ帯域も504GB/sに留まるなど、GeForce RTX 4080(メモリバス幅256bit/メモリ帯域716.8GB/s)との差は比較的大きい。ただし、その分TGPも320Wから285Wへと35W低下。補助電源コネクタもNVIDIAのリファレンス仕様では8pin×2、推奨電源ユニットも700Wに引き下げられ、かなり扱いやすくなっている。
その他、主なスペックはベースクロック2,310MHz、ブーストクロック2,610MHz、メモリスピード21Gbps、ビデオメモリはGDDR6X 12GB、L2キャッシュは49,152KB。バスインターフェイスはPCI Express 4.0(x16)で、標準のディスプレイ出力はDisplayPort×3、HDMI×1。なおGeForce RTX 4070 TiにはFounders Editionは用意されておらず、グローバル市場向けの価格は799ドル~、国内価格は149,800円~に設定されている。
今回テストに使った「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti 12GB AMP Extreme AIRO」には、8pin×3仕様の16pin変換アダプタが付属していた |