エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1239
2023.01.06 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
Intel Z790/Z690と違いCPUのオーバークロック機能は省略されているが、オーバークロックメモリには対応するIntel B760チップセット。そこで今回はDDR5-5200に対応するKingston「KF552C40BBK2-32」と、DDR5-6200に対応するKLEVV「KD5AGUA80-62E400S」の2種類のオーバークロックメモリを用意してその動作を確認してみることにした。
Intel XMP 3.0やAMD EXPOに対応するDDR5メモリならプロファイルを選択するだけで最適な動作電圧やメモリタイミングに設定される |
Kingston「KF552C40BBK2-32」には、メモリクロック5,200MHz、メモリタイミング40-40-40-80のIntel XMP 3.0プロファイルが登録されている |
KLEVV「KD5AGUA80-62E400S」には、メモリクロック6,200MHz、メモリタイミング40-42-42-78のIntel XMP 3.0プロファイルが登録されている |
いずれのメモリも「Click BIOS 5」からメモリプロファイルを読み込むだけで規定のクロック、メモリタイミングで動作させることができた。ちなみにMSI「MAG B760M MORTAR WIFI」には、AMD EXPOプロファイルからIntel向けの最適な設定を導き出す「iEXPO」機能を搭載しているため、Ryzen 7000シリーズ向けのメモリでも面倒なタイミング設定をすること無く使用することができる。
メモリの帯域を「AIDA64」で確認したところ、最も差の小さいWriteでも約9%、最も差の大きいCopyでは約18%の差がついた。またメモリタイミングについてはほぼ同等か、KLEVV「KD5AGUA80-62E400S」のほうがやや緩めだがレイテンシは約10ns低減しており、帯域だけでなくレイテンシに関してもメモリクロックの影響は大きいことがわかる。
続いて定番のレンダリングベンチマークとして「CINEBENCH」系のテストを実施してみたが、シングルコアテストはいずれも1%未満、マルチコアテストでも最大で約1.5%しか差がなくほぼ誤差の範囲。CPUへの依存度が高いレンダリング処理ではあまりメモリクロックの影響はないようだ。
続いてフルHD解像度でゲーム系ベンチマークを試してみたところGPUへの負荷が高い「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」では約2%と微増にとどまるが、比較的負荷の軽い「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」や「Tom Clancy’s Rainbow Six Siege」では、いずれも約7%の差がついた。今回のようにCPU、GPUともハイエンドな構成で、高いフレームレートを目指す場合には、メモリも高クロックな物を組み合わせるといいだろう。