エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1240
2023.01.09 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
AMD「Ryzen 9 7900」 市場想定売価税込69,800円(2023年1月13日11:00発売) 製品情報(AMD) AMD「Ryzen 7 7700」 市場想定売価税込53,800円(2023年1月13日11:00発売) 製品情報(AMD) AMD「Ryzen 5 7600」 市場想定売価税込37,500円(2023年1月13日11:00発売) 製品情報(AMD) |
AMDおなじみのチップレット技術は継承しつつ、プロセスの微細化やL2キャッシュの増量、フロントエンド・ロードストア処理、分岐予測などを最適化した最新の「Zen 4」アーキテクチャを採用したことで、大幅な性能向上を遂げた「Ryzen 7000」シリーズ。実際の検証でも先代モデルである「Ryzen 5000」シリーズからシングルスレッド性能は20%以上、マルチスレッド性能は50%近く向上しているものもあるなど、良好なパフォーマンスを発揮した。
しかし、第1弾として投入された4モデルはいずれも性能を重視した「X」型番の製品で、CCDが1基のRyzen 7/5シリーズでもTDPは105W、CCDが2基のRyzen 9シリーズではTDPが170Wに達しており、省電力なPCやコンパクトなPCに導入するにはややハードルが高かった。
2022年9月30日に国内発売が開始された第1弾「Ryzen 7000」シリーズ。TDPは170Wまたは105Wに設定され、省電力動作させる場合にはユーザーがUEFIやRyzen Masterなどのユーティリティを使い設定する必要がある |
一方、今回発表されたいわゆる「無印」型番はいずれもTDPが65Wに統一され、「X」型番の製品に比べて消費電力や発熱が大幅に低下している。さらに「X」型番ではオプションだったCPUクーラーだが、「無印」型番ではRyzen 9/7には「AMD Wraith Prism」が、Ryzen 5には「AMD Wraith Stealth」が標準で付属している。
「無印」型番にはリテールクーラーとして「AMD Wraith Prism」または「AMD Wraith Stealth」が付属する |
製品ラインナップは以下の3モデルで、残念ながら16コア/32スレッドモデルは省略されている。なお従来の「X」型番に比べるとベースクロックは700MHz~1GHz、ブーストクロックは100~200MHz低下しているものの、キャッシュ容量や対応メモリ、内蔵グラフィックス機能は変更なし。マザーボードもAMD X670/670E、およびAMD B650/650Eチップセットを採用するSocket AM5マザーボードがそのまま流用できる。
ちなみにグローバル市場向けの発売は1月10日、国内発売は1月13日11:00より開始され、市場想定売価は「Ryzen 9 7900」が税込69,800円、「Ryzen 7 7700」が税込53,800円、「Ryzen 5 7600」が税込37,500円。「X」型番に比べるとCPUクーラー付きながら2,000円~7,000円程安価な価格設定になっている。