エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1256
2023.02.18 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
冷却性能テストを前に、虎徹MARK3の搭載手順を確認しておこう。Intel系ではLGA1700/115x/1200に対応するわけだが、本稿ではLGA1700マザーボードを用意した。現在最も選択される可能性が高いソケットである事がその理由だ。
なお虎徹MARK3から、リテンションシステムがVer.5にアップグレードされている。中でも出荷時より固定されているブリッジ式のリテンションネジ(スプリングスクリュー)形状に手が加えられ、より扱い易くなった。
ブリッジ側の雄ネジが雌ネジに変更され、ネジの頭部分も六角プラスからプラスのローレットスクリュータイプになったスプリングスクリュー。サイズ・S氏によると「ギシギシ言わなくなった」という |
細部にまで改良が加えられ、さらに付属品セッションで触れたマウンティングプレートのワンプレート化や、バックプレート先端のネジがスライド式になり樹脂パーツが外れなくなった点など。これら機能性向上による扱い易さ、加えて要望のあった箇所の修正など、いずれもサイズが日本メーカーであることのメリットと言えよう。
樹脂製に変更されたバックプレートを背面からCPUクーラーマウントホールに合わせる | 虎徹MARK3より”ポロポロ外れる”樹脂製キャップを廃止。スライド式に改良された |
バックプレート四隅から伸びるピンの露出を確認 | LGA1700専用スペーサー(ブラック)を被せていく |
ワンプレート化されたマウンティングプレートをピンに装着 | これをナットで固定すればほどなく台座の完成。ここでグリス塗布を忘れずに |
完成した台座に改良されたブリッジ式リテンションのスプリングスクリューを固定。ガタつきや緩みがない事を確認しよう |
次にAMD Socket AM5への搭載方法も見ておこう。搭載手順について、一般的にIntel系よりAMD系の方が簡略化されている印象だが、こと虎徹MARK3の場合はどちらとも言えず、いずれも作業に手こずる事はない。水冷クーラーに採用例が多いマザーボード備え付けのABS樹脂製台座の流用はせず、まずはこれを取り外すところから作業はスタートする。
バックプレートにネジ留めされた、マザーボード備え付けのABS樹脂製台座2つを取り外す |
露出したネジ穴(雌ネジ)にスペーサー(グレイ) を被せる |
ここにマウンティングプレートを載せ、AMD用ネジで固定。CPUにグリスを塗布する | 最後にブリッジ式リテンションのスプリングスクリューを固定すれば作業は完了 |
マザーボードへの搭載が済んだところで、メモリスロットクリアランスをチェックしよう。ナロータイプフィン構造やオフセット設計による干渉回避型デザインの虎徹MARK3とあって、実際にメモリをスロットに挿すまでも無く、十分にマージンが確保できている。
以前よりも過剰に背が高いヒートスプレッダ付きメモリは見かけなくなったが、それでも最もCPUソケットに近いメモリスロット上空は完全にクリアだけに、どんなに背の高いメモリでも物理的に干渉する事はない。とは言うもののそれも程度問題で、ヒートスプレッダがあまりにも高ければ冷却ファンの吸気に影響が出る事になる。こうなると既に虎徹MARK3の守備範囲ではないが、パーツ選びはホドホドにと言ったところだろうか。
注※CPUクーラーとの干渉をチェックするため、メモリの装着位置はCPUに最も近いスロットを使用 |