エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1257
2023.02.20 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
続いては、よりゲームプレイに近い負荷を再現するため、長時間のループ実行に対応した「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」の公式ベンチマークをチョイス。グラフィックス設定を「最高品質」、解像度は3,840×2,160ドットにセットし、最大限の負荷をかけつつ30分間連続で動作させることにした。
なおテスト中における消費電力は最大637Wと、今回の検証では最も低い数値。ある意味現実的な負荷であり、変換効率の側面でも理想的な環境でのテストになった。
頻繁にロードを挟むテストとあって変動は大きく見えるものの、ATX12VとCPUは最大の変動値が0.3%以下に収まるド安定な結果に。変動パターンの忙しい12VHPWRもまた、実は下振れの数値は「3DMark」とまったく同じだった。常に一定の出力を維持できる優秀な信頼性を備えているようだ。
引き続きゲーム系のベンチマークテストから、長時間のループに対応しつつより負荷の大きな「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の公式ベンチマークを動作させることに。グラフィックス設定は「品質」をベースに最も負荷がかかるように項目を選択、3,840×2,160ドットの解像度にて、これまで同様に30分間連続で実行した。
なお消費電力は最大669Wと、ほぼ負荷率50%の理想的な環境。電源ユニットの変換効率を最大限に発揮させる上で、システム構成に対し余裕をもたせた容量をチョイスすることには大いに意味があるというわけだ。
ATX12Vは12.01~12.02Vの範囲で動作しており、ほとんど変動なし。CPUも常時定格以上かつ12.01~12.04Vで推移しており、上振れは最大0.3%程度に収まっていた。グラフ上の変化が最も大きい12VHPWRも±0.3%程度と、極めて安定している。ATX規格よりはるかに厳しい製品の電圧レギュレーションでも11.64V~12.36Vの変動が許容されているわけだが、実際の動作はそれ以上にブレの少ない抜群の安定感だった。
最大200%のピーク電力への対応など厳しい要求に適合していることから、ATX 3.0規格に合格する電源ユニットは総じて信頼性に優れている。低リップル動作と厳格な電圧レギュレーションを特徴とする「TOUGHPOWER GF3 1350W GOLD」もその一つで、その安定性はGOLD認証製品の中でもトップクラス。最上級のウルトラハイエンド環境で負荷をかけてもブレなく動作する信頼性の高さは、謳い文句以上だった。
冷却ファンの風が万遍なく当たるショート設計の技ありな設計、さらに通気性抜群の筐体も相まって、安定動作を支える冷却性能の高さも特筆もの。風通しの良さゆえに筐体から漏れ出てくる動作音は比較的大きめだが、PCケースに組み込んでしまえば気にならないはず。
容量1300Wを超えるATX 3.0電源としては手頃な価格ということもあり、安定性と冷却を重視するハイエンドユーザーにとって見逃せない選択肢になりそうだ。
協力:Thermaltake
株式会社アスク