エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1264
2023.03.12 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
コーポレートカラーが強烈な個性となって、どの製品にも同じDNAが受け継がれている事を意識させるNoctua製品。とは言え、NH-L9a-AM5の外観はスリムなトップフロー型とあって、お馴染みのサイドフロー型CPUクーラーとはまた違う存在感がある。
ただし構造自体はいたってシンプル。薄型ヒートシンクに92mmファンを載せたロープロファイルタイプで、MINI-ITX規格をベースとしたHTPCまたはSFF(スモールフォームファクター)での運用が想定されている。
なおプレスリリースによると、小型で高性能ではあるものの、オーバークロックまたは高負荷になるCPUでの使用は推奨しないと明記されており、製品サイトからのリンクでは、詳細なCPU互換リストが開示されている。例えばRyzen 9 7900はOKでもRyzen 9 7900XやRyzen 7 7800X3DはNGなど、いずれも正直だ。小型PCを構築し、さらにNH-L9a-AM5の導入を検討している人は、事前に目を通しておくといいだろう。
冷却ファンとヒートシンク、さらに受熱ベースプレートまでを合計しても、高さは僅か37mmでしかない |
出荷時の状態。ケーブルをリテンションに引っ掛けるような格好だが、4pinコネクタが放熱フィンを押しているため、フィンが曲がるダメージが確認できた。これは梱包を改善する必要があるだろう |
ヒートシンクのカバーに該当する両側面のプレートには、レーザー加工によるNoctuaロゴが装飾されている |
冷却ファンを外した状態のヒートシンクは、高さ23mm。これは冷却ファンを固定する台座を含めた枠と、受熱ベースプレートを含む寸法であり、放熱フィンだけに限っては実測で約18mm程度。数字だけを見ても、極めて小型である事が分かる。
ニッケルめっき処理がほどこされた放熱フィンは、地道に数えること計67枚で構成。重量はヒートシンク単体で380gだが、幅114mm、奥行き92mmのブロックは、数字以上にズッシリと重みを感じる。それだけ密で精巧に作られた構造体である事を実感させられた。
CPUに接触する受熱ベースプレート面。出荷時よりNM-AFB10 fastening bracketsが装着されている |