エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1264
2023.03.12 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
ここからは「NH-L9a-AM5」をPCに組み込み、気になる冷却性能をチェックしていこう。まずはTDP65Wながら12コア/24スレッドのメニーコアに対応するRyzen 9 7900からだ。なおストレステストは「OCCT 11.0.20:CPU:データセット大」と「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」の2種類で、CPU温度は「Tctl/Tdie」の数値を、騒音値はデータログ機能を備えた騒音計アズワン「TM-103」をファンから30cmの距離に設置して計測を行った。
TDP65Wながら12コア/24スレッドに対応するRyzen 9 7900 |
Ryzen 9 7900の「RYZEN MASTER」の結果。TDPは65WだがPPTは88Wに設定されており、冷却性能に余裕があればマルチスレッド処理時でもクロックが引き上げられる |
まず「OCCT 11.0.20」の結果を確認すると、テスト中のCPU温度はおおむね65℃~70℃、最高温度も76.5℃までしか上がらず、CPUの許容する95℃までは約20℃の余裕がある。そのため、Package PowerもPPTで設定されている88W前後まで上昇し、コアクロックも5.0GHz前後を維持することができている。
そして「CINEBENCH R23」でも、CPUの温度はおおむね65℃~70℃で「OCCT 11.0.20」とほぼ同じ結果。より処理が重いため、コアクロックは4.325GHz前後で頭打ちになるが、Package Powerは88W前後で安定している。
CPU温度やPackage Powerがほぼ同じため、ファンの回転数も「OCCT 11.0.20」「CINEBENCH R23」ともおおむね2,100~2,300rpm前後で推移する。ちなみに回転率は84~92%で、フル回転になることはテスト中に一度もなかった。
またノイズレベルは40dBA前後で、高負荷時のCPUクーラーとしては標準的。バラック状態のテストのため風切り音は聞こえるものの耳障りに感じるほどではなく、PCケースに入れたり、ヘッドセットをしてしまえば気になることはないだろう。