エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1268
2023.03.22 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:pepe
ゲーム系ベンチマークが一段落したところで、「Aegis Ti5 13NUG-257JP」の冷却性能をチェックしていこう。CPUのストレステストには「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を、グラフィックスカードのストレステストには「3DMark Speed Way Stress Test」を使用している。
「Aegis Ti5 13NUG-257JP」ではPL1が125W、PL2が190Wに設定されているため、テスト開始直後はPackage Powerが190W前後まで上昇するが、CPU温度は最高85℃で頭打ち。またPackage PowerがPL1の125Wに移行すると、CPU温度は70℃前後で推移し、CPUクーラーの冷却性能にはかなり余裕がある事がわかる。
続いてグラフィックスカードの挙動を確認すると動作クロックはブーストクロックを200MHz以上も上回る2,730MHz前後で推移するが、最高温度は71℃までしか上がらず、オリジナル3連ファンクーラーの冷却性能は非常に優秀だ。
また騒音値を確認すると、アイドル時やグラフィックスカードのみに負荷がかかる状態ではいずれも40dBA以下で、ファンの音はほとんど気にならない。そしてCPUに負荷が掛かる「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」では、PL2=190Wで動作するときは48.8dBAまで上昇し、風切り音がやや耳障りに感じるものの、PL1=125Wに移行したあとは43dBAを超えることはなく、実際に同じ部屋にいても不快に感じることはなかった。
ベンチマークテストの最後は消費電力を確認していこう。計測は冷却性能テストと同じ条件で行っている。
アイドル時はCPU、グラフィックスカードとも省電力機能が有効になるため80W前後まで消費電力が低下する。また「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」実行時はPL2=190Wの状態では306.9Wまで上昇するが、PL1=125Wに移行すると223.1Wまで83.1Wも低下し、PL値以上の差がついている。そして最も消費電力の多い「3DMark Speed Way Stress Test」実行時でも最高422.5Wで、容量850Wの電源ユニットを搭載する「Aegis Ti5 13NUG-257JP」なら、まだ余力は十分に残されている。
従来と同じ外観ながら、CPU、GPUとも最新世代にアップグレードされた「Aegis Ti5 13NUG-257JP」。フルHD解像度やWQHD解像度は言うまでもなく、4K解像度でもレイトレーシングを使わないなら超解像技術を使うことなく快適なゲームプレイが可能だった。
さらにこれまで4K解像度では快適な動作が難しかった、レイトレーシングを多用する「Cyberpunk 2077」などの超重量級ゲームでも、超解像技術を併用することで劇的にパフォーマンスが向上。144Hzクラスの高リフレッシュレートなゲーミング液晶ディスプレイも十分視野に入る性能を実現している。
そしてハイエンドPCで問題になる騒音についても、MSIが得意としている高性能かつ静音設計のVGAクーラーや、240mmラジエーターを採用するオリジナルオールインワン型水冷ユニットに加え、絶妙なバランスで設定されたPackage Powerのチューニングによってかなり抑えられている。
唯一無二のデザインと現行最高クラスのパフォーマンスを併せ持つ「Aegis Ti5 13NUG-257JP」は、他人とは違うゲーミングPCが欲しい人にとっては大いに気になる一台になるだろう。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社