エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1270
2023.03.29 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
最終セッションでは、iCUE 4000D RGB AIRFLOWをベースにPCを実際に組み立てていく。従来通り、製品サイトだけでは分からないことや、専用マニュアルが存在しないだけに、作業中に気が付いたこと、指摘しておくべきこと、さらには構成パーツ搭載後の周辺クリアランス等を解説していく。
マザーボードにはATX規格のASRock「B650E Steel Legend WiFi」を使用。9本のスタンドオフに「MBD / HDD screws」でネジ留めした。作業自体はごく一般的なミドルタワーPCケースと変わらず、特に問題はなかった。
なお周辺クリアランスは、トップパネルまでが約25mm、フロントパネル裏の標準搭載ファン「iCUE AF120 RGB ELITE」までが約120mm、右手に隣接する「CABLE BAR」までが約30mmだった。
マザーボードをネジ留めしたところで、CPUクーラーの有効スペースを計測した。メーカーによる公称値は高さ170mmまで。これを念頭に、CPUから強化ガラス製左サイドパネルの内側に貼り付けたマーカーまで、レーザー距離計による計測では179mmだった。誤差の範囲としての+9mmは決して小さな値ではないが、何度計測しても数値は変わらず。ここはCORSAIRによるマージンと解釈しておこう。ただしあくまで高さ170mmまでとされているため、CPUクーラーの選定で無茶をしてはいけない。
次にマザーボードトレイ背面に回り、CPUクーラーメンテナンスホールをチェックしよう。カットされているのは、実測で幅約185mm、高さ約120mm。ミドルタワーPCケースとしてはやや高さが短い部類ながら、B650E Steel Legend WiFi備え付けのバックプレートはきちんと露出できている。
AMDの場合、多くのCPUクーラーが標準の台座またはバックプレートを流用しての固定方法だけに、下部がやや接近していたところで気にする必要はない。本稿では1モデルだけの装着テストだったが、もう少しカット範囲が広くてもいいように感じた。
組み込みセッションで最も注目していたのが、電源ユニットの搭載テスト。使用したのは、2023年2月4日より販売が開始されたCORSAIR「RM1200x SHIFT」(型番:CP-9020254-JP/市場想定売価税込40,260円)だ。
先日詳細検証でもお届けした注目の電源ユニットは、側面にモジュラーコネクタを搭載するサイドプラグイン方式のATX 3.0対応80PLUS GOLD認証モデル。外形寸法は幅150mm、奥行き180mm、高さ86mmで、140mmファンを内蔵するロングタイプ。これを有効スペース最大220mmのボトムカバー内部後方にマウントした。
公称220mm(実測225mm)の有効スペースに180mmの筐体は明らかにタイト。とは言えサイドプラグイン方式だけに、隣接するシャドウベイユニットとの間隔は全く気にならない。これが従来方式のストレートなプラグイン方式だった場合、シャドウベイユニットは前方へ40mm移動する必要があっただろう。その分前方向の空間がタイトになり、360mmサイズラジエーターは搭載ができなくなる。
RM1200x SHIFTについては検証記事に譲るが、iCUE 4000D RGB AIRFLOWとの組み合わせでは電源ユニットの右側面から右サイドパネルまでは約30mmのスペースがあり、小粒なRM1200x SHIFTのコネクタや柔軟なケーブルが干渉する事なく固定ができている。さらに底面にはサイドプラグイン向けの結束バンド用フックがあり、思いの外キレイに配線ができた。同一メーカーだけに相性もよく、iCUE 4000D RGB AIRFLOWにはRMx SHIFTシリーズがベストなチョイスである事は間違いない。
幅230mmの本体に、幅150mmの電源ユニットをマウント。右サイドパネルまでは約30mmとなり、この空間がサイドプラグインコネクタやケーブルの占有部として利用できる |