エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1274
2023.04.08 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
続いて人気レースゲーム「F1 22」のベンチマーク結果を確認していこう。ベンチマークの解像度は1,920×1,080ドットで、グラフィック品質は「ハイ」「ミディアム」「ロー」の3種類。ゲーム内ベンチマークテストのコースは“バーレーン”を選択した。
平均フレームレートは「ハイ」でも60fpsまであと一歩に迫る54fps。「ミディアム」や「ロー」では60fpsを楽に超えることができ、フルHD解像度までなら画質にもそれほど妥協することなく快適にゲームを楽しむことができる。
ゲーム系ベンチマークのラストはオープンワールド型アクションゲームの大作「Watch Dogs Legion」のゲーム内ベンチマークのスコアを確認していこう。解像度はフルHDで、「グラフィック品質」は「最大」「高」「低」の3種類で計測を行っている。
これまでのゲームでは画質の設定次第で60fpsを超えることができていた「UM773 SE」だが、「最大」で19fps、最も軽い「低」でも38fps止まり。さすがに重量級として知られる「Watch Dogs Legion」をプレイするにはやや荷が重いようだ。
ゲーム系のベンチマークが一段落したところで消費電力をチェックしていこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、高負荷時は「CINEBENCH R23」実行時と、「ファイナルファンタジーXIV︓暁月のフィナーレ」実行時の最高値を採用した。
元々ノートPC向けのCPUを採用していることもあり、アイドル時の消費電力は9.4Wとかなり控えめ。また最大消費電力も90Wを超えることはなく、一般的なデスクトップPCと比べると省電力性能は非常に優秀。特にPCを常時起動しておきたいという人には、まさにぴったりの製品といえるだろう。
ベンチマークテストのラストはオリジナルクーラーの冷却性能をチェックしていこう。なおストレステストは消費電力と同じく「CINEBENCH R23」と、「ファイナルファンタジーXIV︓暁月のフィナーレ」を使用している。
約127mm角の超小型サイズながら、CPUの温度はすべてのコアがフルロードする場合でも最高82.9℃で、Ryzen 7 7735HSの最大温度95℃までは10℃以上の余裕がある。また内蔵GPUの温度も最高74.4℃までしか上がらず、「UM773 SE」に合わせて設計されたというCPUクーラーの冷却性能にはまだ余力が残されている。
続いて、ファンの回転数を確認すると、アイドル時は1,500rpm前後、高負荷時は2,900rpm前後で動作していた。ノイズレベルはアイドル時が30dBA未満で、ほぼ無音に近い状態。高負荷時でも36dBA前後までしか上がらず、デスクの上や液晶ディスプレイの裏面に設置した場合でも気になることはないだろう。
今回の撮って出しレビューではMINISFORUMの超小型デスクトップPC「UM773 SE」の検証を進めてきた。この季節の風物詩になりつつある“桜デザイン”の製品ということで、その外観に注目が集まりがちだが、そのパフォーマンスもあなどれない。
ノートPC向けとは言え、最高4.7GHzを超える高クロック動作に対応する8コア/16スレッドCPU Ryzen 7 7735HSを採用したことで、CPU性能はデスクトップ向けのRyzen 7 5700Xに匹敵。オフィスアプリケーションはもちろん、マルチスレッド性能が重要になるクリエイティブ系アプリケーションもストレスなく動作する。
また高性能な内蔵GPU Radeon 680Mのおかげでゲーム性能も良好。フルHD解像度までなら、よほど重量級のゲームでなければ快適にプレイすることができるだろう。
そしてこれまで多くの超小型PCで弱点だった、発熱問題も最新クーラーや液体グリスを組み合わせることで解消している。さらに静音性にも優れる「UM773 SE」は、イマドキの超小型PCの進化を感じさせてくれる逸品だった。
協力:MINISFORUM