エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1275
2023.04.12 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずは3Dベンチマークソフトの定番「3DMark」から、レイトレーシングの性能をチェックする「Port Royal」のベンチマーク結果を確認していこう。
RTコア数はGeForce RTX 3070 Tiの48基に対して、GeForce RTX 4070は46基と2基少ないにも関わらず、GeForce RTX 4070の方が約1.3倍高いスコアを記録した。このことから第3世代RTコアの性能はかなり優秀であることがわかる。またGeForce RTX 4070 Tiとの比較では、約30%の差があり、ほぼRTコアの差に準ずる結果になった。
続いて、シーン全体をレイトレーシングにて描画するより高負荷なレイトレーシングベンチマーク「DirectX Raytracing」の結果を確認しておこう。
GeForce RTX 3070 Tiとの比較では1.5倍以上のスコアをマークし、やはり第3世代のRTコアではレイトレーシング性能が大幅にアップしていることがわかる。またGeForce RTX 4070 Tiとの比較では、約37%に差が広がり、RTコア数以外にベースクロックやブーストクロックが低下していることも影響していると思われる。
NVIDIAの超解像技術DLSSの効果を確認できる「NVIDIA DLSS feature test」のスコアを確認しておこう。「DLSS version」はGeForce RTX 4070とGeForce RTX 4070 Tiは“DLSS 3”を、GeForce RTX 3070 Tiは“DLSS 2”を選択し、解像度はいずれも3,840×2,160ドットで計測を実施している。
DLSS 3に対応するGeForce RTX 4070やGeForce RTX 4070 Tiでは、DLSS 3無効時に比べて3.5倍以上スコアが上昇しているのに対して、DLSS 2までの対応になるGeForce RTX 3070 Tiでは上昇率は約3.3倍に留まる。DLSS 3に対応しているゲームがメインならば、GeForce RTX 40シリーズを選択したほうがいいだろう。
続いてレイトレーシングの他、メッシュシェーダーや可変レートシェーディング、サンプラーフィードバックなどの機能を備えた最新API DirectX 12 Ultimateをサポートする「Speed Way」の結果を確認していこう。
GeForce RTX 3070 Tiとの比較は、約1.3倍で「Port Royal」とほぼ同じ。またGeForce RTX 4070 Tiとの差は約23%に留まり、これまでのベンチマークに比べると差が縮まっている。
続いてまだまだゲームで主流のAPI DirectX 12を使用するベンチマーク「Time Spy」のスコアを確認していこう。プリセットはハイエンドグラフィックスカードということを考慮して「Time Spy」と「Time Spy Extreme」の両方で計測を行った。
GeForce RTX 3070 Tiに比べると、メインターゲットにしているWQHD解像度の「Time Spy」では約23%上回る良好なスコア。しかし4K解像度の「Time Spy Extreme」ではメモリ帯域の狭さ(GeForce RTX 3070 Tiが608GB/s、GeForce RTX 4070が504GB/s)が影響しているのか差は約18%に縮まっている。またメモリ帯域の狭さを大容量のL2キャッシュで補っているGeForce RTX 4070 Tiとの差はいずれのプリセットでも約31%だった。
APIにDirect X11を使用する「Fire Strike」のスコアも確認しておこう。なおプリセットは「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の3種類全てで計測を行っている。
GeForce RTX 3070 Tiとの比較では、フルHD解像度の「Fire Strike」では約21%上回るものの、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」では約18%、4K解像度の「Fire Strike Ultra」では約11%へと差が小さくなる。そしてGeForce RTX 4070 Tiとの比較では、「Fire Strike」では約23%だったのに対して、「Fire Strike Extreme」では約29%、「Fire Strike Ultra」では約37%に差が広がり、高解像度環境ではコア数の削減やクロックの低下に加えて、L2キャッシュが削減されている影響も大きくなると思われる。