エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1275
2023.04.12 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ゲーム系ベンチマークが一段落したところで、ここからはクリエイター系ベンチマークをチェックしておこう。まずは「V-Ray 5 Benchmark」の「V-Ray GPU CUDA」「V-Ray GPU RTX」のスコアからだ。
GPU CUDAでは約23%、GPU RTXではその差が約30%に広がり、Ada Lovelaceアーキテクチャでは、ゲームだけでなくクリエイター系のアプリケーションでもAmpereアーキテクチャから大きく性能が向上している。またGeForce RTX 4070 Tiとの差はいずれも20%前後に留まり、ゲームに比べると差が縮まっている。
続いて「Blender 3.5.0」の結果も確認していこう。レンダリングにはGPUを使用し、サンプルは「monster」「junkshop」「classroom」の3種類を選択している。
さすがにGeForce RTX 4070 Tiには敵わないものの、最も差が小さい「junkshop」でも約23%、「monster」や「classroom」では約50%もGeForce RTX 3070 Tiから処理性能が向上しており、やはりAda Lovelaceのレンダリング性能は優秀だ。
OTOY社のレンダリングエンジンOctaneRenderのパフォーマンスをテストする「OctaneBench 2020.1.5」のスコアもチェックしておこう。
こちらもGeForce RTX 4070 Tiには敵わないものの、GeForce RTX 3070 Tiからは約44%もスコアが向上しており、クリエイター向けのアプリケーションではAda Lovelaceが強さを見せる。
クリエイター向けベンチマークのラストはDLSS 3に対応する「Omniverse」のレンダリング性能を「Omniverse Create」を使い確認していこう。サンプルはNVIDIAから提供された「Campfire」「Flowers4」「Incense」「JadeTiger」「Warehouse」の5種類で、ビューポイントはUHDと2Kを選択した。
まず2Kの結果を確認すると、Ada Lovelaceでは元々レンダリング性能が高いことに加え、DLSS 3に対応することもあり、すべてのサンプルで2倍以上のフレームレートを叩き出す圧巻のスコア。現在GeForce RTX 3070 Ti以下のグラフィックスカードで、Omniverseを使用しているなら、GeForce RTX 4070へのアップグレードによって一気に快適になることだろう。
続いてUHDの結果を確認すると、ビデオメモリが8GBしかないGeForce RTX 3070 Tiではすべてのサンプルでメモリが不足し、フレームレートは1桁台に留まる。一方、ビデオメモリが12GBのGeForce RTX 4070やGeForce RTX 4070 Tiでは、メモリ不足が発生するのは「Warehouse」のみ。大規模なレンダリングを行う場合、GPUの性能はもちろん、ビデオメモリの容量にも注意する必要がある。