エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1275
2023.04.12 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
続いて消費電力をチェックしていこう。なお負荷テストには「3DMark Speed Way Stress Test」と「ファイナルファンタジーXIV︓暁月のフィナーレ」(4K解像度)を使用し、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
アイドル時は、省電力機能によって動作クロックや電圧が低下するため、いずれも60W前半でほぼ横並び。またGPUに負荷が集中する「3DMark Speed Way Stress Test」では、GeForce RTX 3070 Tiとの比較で約93W、GeForce RTX 4070 Tiとの比較でも約73W低い数値で、いずれもほぼTGPに準ずる結果になった。そして実際のゲームである「ファイナルファンタジーXIV︓暁月のフィナーレ」では、GeForce RTX 4070 Tiとの差は約56Wに縮まったものの、GeForce RTX 3070 Tiとの差は約108Wに広がり、Ada Lovelaceアーキテクチャではゲーム中の電力消費が効率化されているようだ。
テストセッションのラストは、GeForce RTX 4070 Founders Editionに搭載されているデュアルファンクーラーの冷却性能をチェックしていこう。なおストレステストには「3DMark Speed Way Stress Test」を使用している。
GeForce RTX 4090/4080 Founders Editionに比べると、カードサイズ、クーラーサイズともかなりコンパクト化されているGeForce RTX 4070 Founders Editionだが、GPU温度は最高66.6℃、Hot Sport温度も78.4℃で頭打ち。ファンの回転数はいずれも約1,700rpm、回転率は40%弱で、冷却性能にはまだまだ余力が残されている。これならよりコンパクトなオリジナルモデルが登場した場合でも冷却性能が不足する心配はないだろう。
GeForce RTX 4070 Tiに比べると、CUDAコア数やL2キャッシュ容量はいずれも約75%強に縮小。ベースクロックも400MHz近く低下しているため、AAAゲームの4K解像度ではやや力不足を感じるシーンがあるのは確か。とは言え、メインターゲットとしているWQHD解像度までなら先代のGeForce RTX 3070 Tiからおおむね20%以上、最新超解像技術「DLSS 3」が効くシーンでは、2倍以上も高いスコアを記録するものもあり、Ada Lovelace世代になってパフォーマンスは確実に向上している。
またクリエイター系ベンチマークでは超解像技術を使用しない場合でも40~50%と大幅に処理性能が向上。さらにGeForce RTX 3070やGeForce RTX 3070 Tiの欠点だったメモリ容量も12GBに拡張され、大規模なレンダリング処理でも性能が維持できるようになったのも大きなメリットと言えるだろう。
それでいて消費電力はGeForce RTX 4070 TiやGeForce RTX 3070 Tiから大幅に低減。発熱も順当に低下しており、2スロット厚のデュアルファンクーラーでも冷却性能が不足することはなかった。
これまでAda Lovelace世代のグラフィックスカードと言えば、3スロット(もしくはそれ以上)の厚さと300mmを超える長さの巨大な製品がほとんど。そのサイズにより導入するのが難しいというPCケースも多かった。しかしGeForce RTX 4070の登場により、ミニタワーやMini-ITXサイズのゲーミングPCにも無理なく導入できるコンパクトモデルの登場にも期待ができそうだ。
協力:NVIDIA Corporation