エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1276
2023.04.15 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ここからはMEG PROSPECT 700Rの性能面でのポイントとなる、エアフローレイアウトを解説していこう。まずはフロントパネル部に注目すると、出荷時より3基の140mm ARGBファンが装備されている。常時フレッシュな外気を一気に取り込み、筐体内部へ大風量を提供する考えだ。フロントパネルはトライアングルを模した、デザインパンチングによる広大な通気孔により、冷却性能を後押ししている。
もちろんラジエーターの搭載も想定。120/140/240/280/360mmサイズに対応し、ハイエンド志向のCPUを前面のエアフローを利用して冷却する事ができる。
140mm ARGBファンは乳白色ブレード採用で羽枚数は8枚仕様。イルミネーションと回転数は、4.3インチのタッチパネルで制御できる |
トップ部はオプションながら、120mmまたは140mmファンが3基増設可能。ラジエーターも120/140/240/280/360mmサイズがサポートされる。メタル製で重量があるトップパネル、さらにマグネット固定のダストフィルターを外せば、スリットタイプのネジ穴が確認できる。これを利用し、固定位置を調整しながら冷却ファンまたはラジエーターが搭載できるというワケだ。
冷却ファンおよびラジエーターのサポート数は、フロントパネル部同様。ただし前面には3基の140mm ARGBファンが装着されていることから、多くのユーザーがラジエーターの設置場所としてトップパネルを選択するだろう。
広い内部容積を生かしたギミックで、最も変化するのがマザーボードトレイ右手のエリアだ。出荷時に装着されているカバーを外し、付属のファンブラケットに換装すると、右サイド部に120mmファン3基が搭載できるようになる。右サイドパネルにトライアングルを模したデザインパンチングが設けられているエリアが、ちょうど増設ファン固定部分と紐付き、通気性が確保できている。
ファンブラケットは、上下各2本、左側面2本の合計6本のScrew #6-32 7.5mmネジでシャーシにガッチリ固定。スリット部に120mmファンまたはラジエーターがネジ留めできる。
ここで注意点が2つある。1つ目はフロントパネル部にラジエーターが搭載されていると、右サイド部にはラジエーターが搭載できない。また広く使い放題だったマザーボードの右末端と一転接近状態になるため、フルサイズのE-ATX(330mm)は搭載できなくなる。このトレードオフの関係は把握しておきたい。
増設した冷却ファンまたはラジエーターは、ブラケット内側にマウント。フロントパネルの冷却ファン増設エリアと接近しているため、いずれか片方のみラジエーターが設置できる |
リア部にはフロント同様、140mm ARGBファンを標準で装備。CPUソケットおよび電源回路など、熱源付近の常時排熱という重要な役割を担い、加えてARGBイルミネーションによる装飾にも貢献している。詳細なスペックは開示されていないが、フロント部標準品と同様の冷却ファンで、次に解説する制御基板「Control Board Connection」に出荷時より各ケーブルは接続済み。4.3インチのタッチパネルでコントロールができる。
標準装備品の140mm ARGBファン。120mmファン換装用ネジ穴も設けられ、120/140mmサイズラジエーターの搭載も可能 |
シャーシへの固定は一般的なテーパーネジを使用。背面からは120mm換装用のネジ穴も確認できる |
マザーボードトレイ背面、CPUクーラーメンテナンスホール上には、「Control Board Connection」が装備され、出荷時より複数のコネクタが接続されている。
長方形の黒い基板は、冷却ファンの回転数とARGBイルミネーションを一括制御するためのもので、上段に冷却ファン用4pinコネクタ、下段にはARGBコネクタがそれぞれ6つずつ装備。標準装備数と同じ4基分は既に接続済みで、空きは2基分という計算。基板右手には4.3インチのタッチパネルとマザーボード接続用USBコネクタをそれぞれ装備。左手にはSATA電源ケーブルコネクタ、ARGBコネクタ、4pin冷却ファン用コネクタ、温度計測用サーミスターの計4本が接続されている。
これらを接続することで、タッチパネルから冷却ファンの回転数(ファンコントローラー)と、ARGBイルミネーションのプリセット切り替えを可能にしているワケだ。