エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1278
2023.04.20 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
テストセッションのラストは、ASUS GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X Noctua OC Editionの目玉でもある「NF-A12x25 PWM」によるデュアルファンクーラーの冷却性能をチェックしていこう。なおストレステストには「3DMark Speed Way Stress Test」を使用し、Dual BIOSのモードは標準設定の「Q MODE」に加え、「P MODE」を選択した場合でもチェックしている。
まず「Q MODE」と「P MODE」を比較すると「Q MODE」の方がファン回転数の上昇はやや緩やかだが、最終的な回転数はファン1/2とも820rpm前後(回転率は最高39%)で同じ。GPU温度も65℃前後、ホットスポットの温度も75℃前後で推移する。ちなみに「ASUS GeForce RTX 3070 Noctua OC Edition 8GB GDDR6」に比べると、高負荷時のファン回転数は400rpm以上低下しており、冷却性能、静音性とも大きく向上していることがわかる。
続いてVGAクーラーから約30cmの位置に設置した騒音計によるノイズレベルを確認すると、GeForce RTX 4080 Founders Editionでも36.7dBAとかなり静か。しかしASUS GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X Noctua OC Editionはそこからさらに約5dBAも低い31.8dBAで、バルク状態でのテストながらほぼ無音に近い状態。実際、テスト機材で使用しているオールインワン型水冷ユニット「iCUE H150i RGB PRO XT」では、回転数を最も落とした状態にしてもポンプユニットから発生するノイズの方が大きく、騒音値の計測はCPUクーラーを空冷クーラーに変更して、ファンの回転数を可能な限り落とした状態でテストを実施する必要があったことを付け加えておく。
Ada Lovelase世代としては初のASUSとNoctuaのコラボモデルとなる「ASUS GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X Noctua OC Edition」。GPUがGeForce RTX 4080になったことで、ゲーム性能は大幅に向上。さらに超解像技術DLSS 3に対応するゲームも確実に増えて来ており、これまで4K解像度での高フレームレートが難しかった超重量級のゲームも快適に動作するようになった。
さらにオリジナルデュアルファンクーラーもベイパーチャンバーの採用や、ヒートパイプの増加などの改良によって冷却性能が向上。これによりファンの回転数が大幅に低下しており、静音性については正直期待以上の仕上がり。高負荷時でもグラフィックスカードのノイズが気になることはないだろう。
また最近ではハイエンドグラフィックスカード自体の大型化が進み、広い拡張カードスペースを備えたPCケースも増え、クリアランスの問題も以前に比べればだいぶ緩和されてきている。最新GPUと新設計のVGAクーラーを採用する「ASUS GeForce RTX 4080 16GB GDDR6X Noctua OC Edition」は、パフォーマンスに妥協することなく静音性に優れたPCを組みたい人にとっては最高の選択肢になる製品だ。
協力:ASUS JAPAN株式会社