エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1280
2023.04.27 更新
文:撮影・藤田 忠/撮影:編集・松枝 清顕(編集部)
T700エンジニアリングサンプルを使った動作チェックの最後を飾るのは、ある意味パフォーマンスよりも気になる動作温度だ。
T700の動作温度は、テスト環境の「Z790 Steel Legend WiFi」マザーボードに標準装備されている大型M.2ヒートシンク、オプションで販売されている「Blazing M.2 Heatsink」装着時、T700ヒートシンク搭載モデルで計測している。負荷テストは、「CrystalDiskMark 8.0.4」をデータサイズ64GiB、テスト回数9回で行っている。なおテスト環境は、PCケースフロントの吸気ファンとリアの排気ファン、さらに空冷CPUクーラーを組み合わせ、しっかりとエアフローを確保している。
ASRock「Blazing M.2 Heatsink」。ヒートシンク内にPWMファンを内蔵し、その冷却性能には期待できる |
T700エンジニアリングサンプルのサーマルスロットリング機能は、80度を超えると効くように設定されていた。比較的しきい値が低めということもあり、エアフローがある環境でもマザーボード標準M.2ヒートシンクは最大80℃に達していた。「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果や「HWiNFO64 Pro」のログから速度低下は確認できなかったが、ギリギリではある。
【マザーボード標準M.2ヒートシンクの結果】 |
【負荷テスト時の結果】 |
次にヒートシンク搭載モデルを試すと、放熱面積を増やしたフィン構造を効いたのか、テスト中の最大温度は77℃にダウンしていた。余裕のある温度とは言えないが、エアフローを確保していれば、T700は安定してパフォーマンスを引き出すことは可能なようだ。
【ヒートスプレッダーモデルの結果】 |
最後は、注目のASRcok「Blazing M.2 Heatsink」だ。対応マザーボードは必要になるが、グラフィックスカードとも干渉せずに取り付けできるほか、動作音を抑えられるPWM制御ファンによる冷却のアシストが期待できる。
大型ヒートシンク&ファンのASRcok「Blazing M.2 Heatsink」。ファン回転数はPWM制御(マザーボード温度を参照)でテストした |
【Blazing M.2 Heatsinkの結果】 |
冷却性能は文句なしで、温度は最大67度に抑え込んでいる。ケースに収めているのもあるが、小口径ファンの高周波動作音を感じることもなかった。対応マザーボードのユーザーには、T700を安心して運用できる装備としてオススメしたい。
ランダムライトの最適化が済んでいないなど、あくまでもエンジニアリングサンプルでの結果だが、そのパフォーマンスはPCI Express 5.0(x4) NVMe M.2 SSD最速クラスに立つこと間違いないだろう。正確な国内発売日は未確定だが、待たされても1カ月程度と思われるので、大いに期待して待ちたい。
協力:マイクロンジャパン株式会社