エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1289
2023.05.21 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
PCへの組み込み手順を確認したところで、ここからはPC COOLER「K4」の冷却性能をチェックしていこう。まずは第13世代Intel CoreプロセッサのハイエンドCore i7-13700からだ。Processor Base Powerこそ65Wと控えめながら、Maximum Turbo Powerは219Wに設定され、マザーボードの電源回路やCPUクーラーの性能さえ十分なら高クロック状態を維持できるCPUだが、PC COOLER「K4」でどこまで性能を引き出すことができるのだろうか。
なお組み合わせるマザーボードはASRock「Z790 Steel Legend WiFi」で、インタラクティブUEFIの「CPU Cooler Type」には「Air Cooling」と「240-280mm Liquid Cooler」の2種類を選択。ストレステストは「OCCT 11.0.23:CPU:データセット大」と「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を使い、CPU温度はCPU Packageの数値を、騒音値はデータログ機能を備えた騒音計アズワン「TM-103」をファンから30cmの距離に設置して計測を行った。
UEFIの「CPU Cooler Type」は「Air Cooling」と「240-280mm Liquid Cooler」の2種類でテストを実施 |
CPUには第13世代Intel CoreプロセッサのハイエンドモデルCore i7-13700を使用。Processor Base Powerは65WだがMaximum Turbo Powerは219Wと高く、マザーボードの電源回路や冷却性能次第ではCore i7-13700Kに匹敵する性能を叩き出す |
「Air Cooling」設定時のPL1は125W、PL2は219Wに設定されていた | 「240-280mm Liquid Cooler」設定時はPL1が241W、PL2が265Wに設定されていたが、Non-Kモデルのため実際にはここまで上がることはない |
まず「Air Cooling」の設定から確認していこう。「OCCT 11.0.23」では、テスト開始直後の約1分間はPackage Powerが約165Wまで上昇。Pコアクロックは5.0GHz、Eコアクロックは3.9GHzまで引き上げられ、CPU温度も最高77℃を記録した。しかし、その後はPackage Powerは125W前後、Pコアクロックは4.6GHz前後、Eコアクロックは3.5GHz前後に落ち着き、CPU温度も70℃前後で推移する。
また「CINEBENCH R23」では、テスト開始直後の約1分間のPackage Powerは最高175W、CPU温度も81℃まで上昇する。ただし、その後は「OCCT 11.0.23」と同様Package Powerは125W前後まで低下し、CPU温度も途中何度か突発的に高くなることはあるものの70℃前後で安定する。
アイドル時のファン回転数はいずれも780rpm前後、騒音値もほぼ29dBAにとどまり、オープンフレームケースでのテストながらほとんど無音に近い状態だった。
続いて高負荷時の結果を確認すると、テスト開始約1分間はファンの回転数が1,650rpm前後、ノイズレベルも43.7dBAまで上昇する。しかし、Package Powerが125W前後になると「OCCT 11.0.23」ではファンの回転数が1,350rpm前後、騒音値は37.5dBA前後まで低下し、ノイズはほとんど気にならなくなる。
そして「CINEBENCH R23」の結果を確認すると、こちらはファンの回転数が1,450rpm前後、騒音値は40.5dBA前後。「OCCT 11.0.23」に比べると風切り音が大きくなったことはわかるが、耳障りに感じるほどではなかった。