エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1297
2023.06.09 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
APIにDirect X11を使用する旧世代のラスタライズテスト「Fire Strike」のスコアも確認しておこう。なおプリセットは「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の3種類全てで計測を行っている。
フルHD解像度のFire Strikeでは、CPUがボトルネックになるためRadeon RX 6800との差はRadeon PRO W7800で約15%、Radeon PRO W7900でも約33%に留まる。ただし、GPUへの負荷が上がるFire Strike ExtremeやFire Strike Ultraでは、Radeon PRO W7800で30%以上、Radeon PRO W7900では60%以上に差が広がり、ラスタライズ系のアプリケーションでも十分なパフォーマンスが期待できる。
レイトレーシングだけでなく、ラスタライズ系のベンチマークでも優秀な性能を発揮したRadeon PRO W7000シリーズ。その本分からは外れるが、ゲーム系のベンチマークとして「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」も試してみることにした。なおグラフィックス設定は“最⾼品質”で、フルHD(1,920×1,080ドット)、WQHD(2,560×1,440ドット)、4K(3,840×2,160ドット)の解像度で計測を⾏っている。
Radeon PRO W7000シリーズでは、元々ゲーム向けにドライバが最適化されていないこともあり、Radeon RX 6800とRadeon PRO W7800の差は最大でも約6%に留まる。とは言え、WQHD解像度までは判定は最高の“非常に快適”、4K解像度でも上から2番目の“とても快適”を獲得している。さらにRadeon PRO W7900では、すべての解像度で最高の“非常に快適”を獲得するなど、Radeon RX 6800を圧倒しており、プロ向けグラフィックスカードながら、ゲームでの利用にも全く問題はない。
さて、ここからはRadeon PRO W7000シリーズが力を発揮するOpenGL系のベンチマークを確認していこう。まずはCINEBENCH R15に実装されているOpenGLベンチマークスコアを確認していこう。
いずれのグラフィックスカードでもスコアは約400fpsで横並びになった。そこで「タスク マネージャー」からGPUの負荷を確認すると、GPU使用率は40%前後で頭打ちになっていた。古めのアプリケーションで、処理中の負荷が軽い場合は最新のグラフィックスカードではその性能を最大限に発揮できない可能性があることは覚えておく必要がある。
「CINEBENCH R15:OpenGL」ベンチマーク中の「タスク マネージャー」。GPUの負荷はいずれのグラフィックスカードでも40%前後までしか上がらなかった |