エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1299
2023.06.14 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
CPUクーラーにはNoctua「NH-L9x65」(全高65mm)をチョイスした。発売から時間の経過した製品ながら、全く色褪せない。なお同じNoctuaの「NH-L9i-17xx」(全高37mm)も気になるところだが、単純に28mm高いNH-L9x65は冷却面で有利と考えた。
NH-L9x65をASUS「ROG STRIX Z790-I GAMING WIFI」(LGA1700)に搭載するには、オプションの「NM-i17xx-MP83」を使用 |
マザーボードとのマッチングはなんら問題なく、隣接するメモリにも干渉はない。ちなみにポジション「3」のCPUクーラー有効スペースは67mm。これを踏まえて一旦真上から搭載状態をチェックしてみると、前後パネル幅内に収められている事が分かる。
この時点で左サイドパネルを閉じてみると、当然ながらCPUクーラーとの干渉はない。搭載ファンは側面スリットにより吸気をスムーズに行う事ができる |
電源ユニットの搭載テストには、ASUS「ROG LOKI SFX-L 750W Platinum」(型番:ROG-LOKI-750P-SFX-L-GAMING)を用意した。おさらいすると、Terraに搭載できるのは、SFX-LまたはSFX規格で、奥行きは130mmまで。ROG LOKI SFX-L 750W Platinumは奥行き125mmなので5mmを残し、スペースをまさに有効活用している格好。ケーブルはスリーブタイプのフルモジュラー式で、80PLUS PLATINUM認証の高効率は小型筐体にとって都合がいい。
搭載方法は、マザーボードプレートからブラケットを取り外し、これにROG LOKI SFX-L 750W Platinumをインチネジで固定。予め必要な数のケーブルを接続し、元の位置に戻すという流れ。3pinインレットに内部中継ケーブルを挿せば搭載は完了する。
電源ユニットの搭載スペースは比較的広く確保できているため、作業中に限られた内部容積を意識する事はあまりない。作業におけるポイントと言えば、ケーブルは必要数接続しておくこと。モジュラー式とは言え、ひとたび固定してしまうと、設置後に抜き挿しはできなくなる。
また電源ユニット本体からボトム面までの距離は約30mm。この空間が搭載する構成パーツの数に比例して増える、ケーブル類の「滞留」または「通り道」になる。先に解説している通り、電源ユニット搭載スペースのボトム面には、2.5インチSSDまたは120mmファンが増設できるワケだが、およそ120mmファンの搭載は現実的ではない。電源ユニット下を活用したければ、奥行き100mm程度の電源ユニットを選択することだろう。ただし高出力・大口径ファン搭載モデルは選択肢からは外れてしまう。このトレードオフは避けられないだろう。
ドライバーが入らない左手前のネジ穴に対して、シャーシ側にサービスホールが設けられていた | 高出力SFX(-L)電源ユニットの奥行きは搭載スペース制限ギリギリまでを占有。下部はケーブル類で一気に混雑状態になる |
なお、電源ユニットのブラケットにはマザーボードブラケット側に2つのネジ穴がある。ここには付属の6.5mmまたは10mmの「PSU Spacer」を装着し、マザーボードブラケットと電源ユニットに空間を設ける事ができる。これはVGAクーラーの「Flow-through GPU Cooler」を考慮したもの。冷却ファンの風が背面に抜ける、直線エアフローに対する吸気向けの対策にも抜かりはない。
左右の空間が任意で決まる設計に合わせ、スペーサーの長さは2種類が同梱。構成に合わせて選択すればいい |
長さ約243mm、幅約112mm、厚さ約40mmのGeForce RTX 4070 Founders Editionを仮組み。10mm高のPSU Spacerを装着し、電源ユニットとグラフィックスカード間のマージンが確保できる |
Terraのストレージ搭載スペースは、合計2ヵ所。通常3.5インチHDDや2.5インチSSDの搭載エリアはきちんと確保されているため、大まかに言えばどのタイミングで搭載しても、さほど支障は無い。しかしその調子でTerraを組み込もうとすると、なかなか厄介な目に遭う。
マニュアルを確認すると、2.5インチSSDの搭載順は構成パーツ中、1番目の作業とされている。ここまでマザーボード、CPUクーラー、メモリ、電源ユニットまでドンドン作業を進めてしまったが大丈夫だろうか。
Terraについてはできる限りマニュアル記載の手順を踏もう(反省) |
今回はフロントパネル真裏のスペースに2.5インチSSDを装着したが、電源ユニットを搭載した状態でもなんとか僅かなスペースに滑り込ませる事ができた。コネクタは推奨方向の右サイド側に向け、Fractalロゴ入りファスナーでボディを締め付ける。
次にケーブルの接続だが、できればL字型コネクタがいい。電源ユニットのコネクタケーブルのうち、末端のSATA電源コネクタはL字型である事が多く、迷うことなくこれを選択。SATAケーブルについては、”下L字型”で可能な限り小型のものを用意した。
検証ではケーブル長300mmのSATAケーブルを用意。ちなみにマニュアルでは、電源ユニットの下方向に取り回す方法が推奨されている。これはケースバイケースで、マザーボードのSATAコネクタの位置次第で調整すればいい |