エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1300
2023.06.19 更新
文:編集部/撮影:pepe
ここからは「G2422」をPCに接続して、その動作をチェックしていこう。なお検証用のPCには、最高170Hzの高速リフレッシュレートに対応する「G2422」の性能を最大限に引き出すため、Intel Core i7-13700KFとNVIDIA GeForce RTX 4080を組み合わせたハイエンドゲーミングPC「Aegis Ti5 13NUG-257JP」を用意した。なおこのPCの詳細については、以下のレビューをあわせて参照いただきたい。
「G2422」の液晶パネルは、水平/垂直178°、sRGBカバー率99.38%の広視野角・広色域なIPS方式を採用する。ハイエンドモデルに比べると輝度は250cd/㎡とやや控えめだが、極端に明るい環境でなければ十分な視認性が確保されていた。また大きく傾けるとコントラストや輝度は低下するが、正面ややや斜めから見る分には色味の変化は気にならなかった。
ゲーミング液晶ではもはや必須とも言える、暗いシーンの視認性を改善する「ナイトビジョン」は、「オフ/通常/強い/最も強い/A.I.」の5段階の調整が可能。また画面全体の輝度を上げるのではなく、暗い部分のみ輝度を最適化するため、白飛びによってゲームの雰囲気を損なうこともない。
テストセッションのラストは、レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイ機能を使用し、リフレッシュレート60Hz/120Hz/170Hzの違いを比較していこう。テストではディスプレイ同期技術を有効化し、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
一般的な液晶ディスプレイの3倍近い170Hzの高速リフレッシュレート環境では、画面書き換えが高速なため滑らかな映像でゲームを楽しむことができる。また液晶パネルに負荷の掛かるオーバークロック動作でありながら、ゴーストやオーバーシュートは発生しておらず映像の破綻もない。一瞬の判断が勝負を分けるFPSゲームでは、特に力を発揮してくれることだろう。
「G2422」はフルHD環境を主戦場にするミドルゲーマーにとって、少ないコストで実用的な機能が揃ったゲーミング液晶を手に入れることができる、魅力的なコストパフォーマンスモデルだ。ほとんどがVAパネルを採用している同クラスの製品とは異なり、高画質かつ広色域なIPSパネルを採用する点もトピック。ゲーミンググレードのスペックに加えて、画質の面でも満足度の高い環境を獲得できる。
そして購入のハードルが低い手頃な価格ということは、マルチディスプレイ構築を考える上でも大きなメリット。入門機にピッタリというだけでなく、買い足しの際の負担も少なくて済むのは嬉しい。クセのない狭額縁なフラットタイプで、なおかつ大きすぎない23.8型というサイズ感もまた、マルチ構成に適した要素だ。
標準装備のスタンドがチルトのみであったり、コスト志向により削られた要素があるのも確か。しかし170Hz駆動/1ms応答という十分な性能を備えつつIPSパネルを採用、それでいて2万円台半ばという価格設定は良心的と言える。性能とコスト両睨みでフルHDゲーミング液晶を探すなら、ぜひ選択肢に加えておきたい。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社