エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1301
2023.06.21 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
テストセッションのラストは実際のゲームに即したテストを実施していこう。ベンチマークには各シーンのロード時間を計測できる「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレベンチマーク」の他、「ELDEN RING」と「ホグワーツ・レガシー」を使用。「ELDEN RING」と「ホグワーツ・レガシー」は、ゲームデータをPCI Express 4.0(x4)接続の起動ドライブから「S1 Portable SSD」に移動し、ゲームの起動時間とロード時間をストップウォッチで5回計測。その最大値と最小値を除いた3回分の平均をスコアとして採用している。
「3DMark:Storage Benchmark」では、最新のPCI Express 4.0(x4)SSDに大きく差を広げられていた「S1 Portable SSD」。しかし「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレベンチマーク」のロード時間は、最も差の大きい「シーン#2」でも約20%、合計タイムの差も約17%に留まり、かなり健闘している。
続いて「ELDEN RING」の結果を確認すると、起動時間の差は約5%、ロード時間の差も約9%しかなく、正直体感できるほどの違いは出なかった。実際に5回の計測ではタイムが逆転することもあり、「ELDEN RING」では「S1 Portable SSD」をデータドライブに使用した場合でも不満が出ることはないだろう。
「ホグワーツ・レガシー」は起動時間、ロード時間とも起動ドライブに比べると約10%遅く、「ELDEN RING」に比べるとやや差が広がっている。とは言え、実際の起動時間の差は約3秒、ロード時間に至っては約1秒しかなく、やはり体感できるほどの違いはなかった。
最後にSteamクライアントで、「ELDEN RING」と「ホグワーツ・レガシー」のデータ(124.54GB分)を移動するのにかかった時間を計測したところ、起動ドライブ→S1 Portable SSD、S1 Portable SSD→起動ドライブとも2分30秒以内で完了することができた。これだけデータ転送速度が高速なら、大容量のデータを持ち運ぶ際でも不満が出ることはないだろう。
帯域幅20Gbpsの高速インターフェイスUSB 3.2 Gen 2×2 Type-Cと、高性能なNANDフラッシュを採用したSSDを組み合わせることで、最高約2,000MB/sの転送速度を実現した「S1 Portable SSD」シリーズ。実際に120GBを超えるゲームデータのコピーも2分30秒かからず完了し、大容量のデータでもストレスなく持ち運ぶ事ができる。
またポータブルSSDが苦手としているランダムアクセスについてもSATA 3.0 SSDのハイエンドモデルと同等かそれ以上のパフォーマンスを発揮しており、USB接続のSSDとしては間違いなく現行最高峰の性能を備えている。
さらに実際のゲームを使った起動・ロードテストでは、PCI Express 4.0(x4)接続のSSDと比較してもその差は最大でも20%前後に留まる。このことから、ストレージの増設が難しいノートPCでは、肥大化が進むゲームデータの保存用ドライブとしても有望な選択肢になるだろう。
協力:ESSENCORE(KLEVVブランド)