エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1302
2023.06.23 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ゲーム関連のベンチマークが一段落したところで、消費電力をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Speed Way Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
アイドル時の消費電力は、Default mode、OC modeとも約57Wで横並び。また高負荷時の消費電力も最大で約15Wとそれほど大きな差がつかなかった。とは言え、OC modeでもパフォーマンス面の違いはわずかしか無いことからDefault modeのままで使う方がいいだろう。
テストセッションのラストは、「DUAL-RTX4060TI-O8G」に実装されているオリジナルデュアルファンクーラーの冷却性能をチェックしていこう。ストレステストには消費電力の計測と同じ「3DMark Speed Way Stress Test」を使用している。
まずDefault modeの動作を確認するとファンの回転数は最高1,800rpm前後、回転率は最高55%で頭打ちになる。にも関わらず、GPUの温度は最高65.5℃、Hot Spot温度も77.7℃までしか上がらなかった。
またOC modeもテスト冒頭こそファン回転数が1,950rpm前後、GPU温度も67.3℃まで上昇するが、その後はファン回転数、GPU温度ともDefault modeと同等レベルで落ち着き、オリジナルデュアルファンクーラーの冷却性能にはまだかなり余力が残されている。
続いて、ファンから30cm離れた位置に設置したデジタルサウンドメーターで高負荷時のノイズレベルを測定したところ、いずれも40dBAを超えることはなかった。実際、テスト中はCPUクーラーのオールインワン型水冷ユニットに実装されているファンノイズのほうが大きく、VGAクーラーの騒音値を測定するときにはファン回転数を敢えて落とす必要があった。
一部ではビデオメモリの少なさが指摘されているGeForce RTX 4060 Ti 8GB版だが、今回「DUAL-RTX4060TI-O8G」を検証した限りでは、最新のゲームでもメインターゲットにしているフルHD解像度はもちろん、WQHD解像度までならビデオメモリ不足による大幅な速度低下は見られなかった。
AI/ディープラーニング処理や、今後より重いゲームが登場すればまた状況が変わる可能性はあるが、少なくとも現行のゲームであれば、フルHD解像度はもちろんWQHD解像度でも大きな問題にはならないだろう。さらに最新超解像技術「DLSS 3」は非常に優秀で、対応していればレイトレーシングを活用する重いゲームでも高リフレッシュレート環境を狙うことができる。
そしてカード長が227.2mmとこれまでのGeForce RTX 40シリーズ製品に比べるとコンパクトなのも大きなメリット。欲を言えば、厚さも2スロットなら文句なしだが、その分冷却性能や静音性も優秀で、コンパクトモデルにありがちなノイズに悩まされる心配もない。内部スペースが制限されるミニタワーPCやMini-ITXケースを使用しているならおすすめできる製品だ。
協力:ASUS JAPAN株式会社