エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1313
2023.07.18 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
次にストレージ収納力を見て行く。内部容積が広いだけあって、ここはHAF 700が得意とするところ。空きスペースなども上手に利用することで、合計4箇所にわたり搭載スペースが確保されている。そのひとつ目は右側面後方の中段部に装備される回転ドライブケージだ。
そもそも回転式ドライブケージと呼ばれる由来は、着脱アクションにある。ツールフリー機構にこだわり、ドライブケージ上部のレバーを下げる事でロックを外し、後方上下の突起が軸となりスイング。開いた状態で手前に引くと、ケージが外れる仕組み。ツールフリーにこだわる設計のひとつでもある。
回転式ドライブケージには4つのプラスチック製専用ブラケットを格納。3.5インチHDDまたは2.5インチSSDが最大4台搭載できる。HAF 700にとって最も収納力が高く、大容量HDDを複数搭載したいユーザーにとっては、このモデルを選択する理由のひとつになるかもしれない。なお回転式ドライブケージとマザーボードトレイの間には若干の隙間ができるため、ATX12V電源コネクタケーブル等も通す事ができる。
プラスチック製専用ブラケットは4台分を装備。3.5インチHDDは両側面の各2本のピンをネジ穴に挿し込むツールフリー。2.5インチSSDは底面からミリネジで固定する |
次の独自機構はツールレスマルチブラケット。出荷時はマザーボードトレイ横のサイドファン増設スペースに、合計3つのブラケットが装着されている。レバーによる固定で、プレート面には複数の穴を装備。カッコ書きで(HDD/SSD/ポンプ/リザーバー)とあるように、ここで紹介するストレージだけでなく、ポンプやリザーバーの固定にも使用できる。
HAF 700 EVO検証時は「Drive/Pump Bracket」と紹介しているが、今回は製品サイト表記のツールレスマルチブラケット(HDD/SSD/ポンプ/リザーバー) に準拠。もちろんモノは同じ万能ブラケットだ |
下部にある2つの突起引っ掛け、上部はレバーを45°動かすことで固定できる仕組み |
ツールレスマルチブラケットを取り外して見ると、予めゴムブッシュが4つ装着されている。ここに2.5インチSSDまたは3.5インチHDDの底面に装着したピンを挿し込めば、ネジやドライバーを使わずに固定ができるというワケだ。なお、ポンプやリザーバーの固定については、後ほど紹介しよう。
2.5インチSSDを搭載する場合は、ゴムブッシュの位置をネジ穴に合わせて移動。コネクタは後方に合わせて装着すれば、縦列のカバーにケーブルが隠れる格好で配線できる |
3.5インチHDDのような重量物でもゴムブッシュと専用ピンで固定が可能。この搭載方法は既存モデルでも採用されているため、実績は十分と言ったところ |
マザーボードトレイ背面の中央に装着されている、ケーブルカバー。上部のレバーを左に45°動かすとロックが解除され、取り外しができる。ここにも3.5インチHDDまたは2.5インチSSDが最大2台搭載できるようになっている。
固定方法はカバー装着済みのゴムブッシュと付属のピンによるツールフリー。ケーブル配線を考慮し、コネクタは両者が中央に向き合う格好でのマウントが推奨されている。
ドライブを固定した後に、ケーブルカバーをシャーシに戻すため、他の搭載スペースに比べケーブルの配線にはやや工夫が必要 |