エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1318
2023.07.29 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ゲーム関連のベンチマークが一段落したところで、消費電力をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Speed way Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
「GAMING X 8G」では「Founders Edition」から120MHzクロックが引き上げられているにも関わらず、アイドル時、高負荷時とも消費電力に大きな差は出なかった。最大消費電力も250W強と控えめなことから、CPUにCore i9-13900Kシリーズを使い、Power Limitの制限を解除した場合でも600Wクラスの電源ユニットがあれば問題ないだろう。
テストセッションのラストはオリジナルデュアルファンクーラー「TWIN FROZR 9」の冷却性能をチェックしていこう。なお消費電力の計測と同じく、ストレステストには「3DMark Speed way Stress Test」を使用している。
ファンの回転数は最高1,492rpm、回転率も45%までしか上がらないにも関わらず、GPU温度は最高68℃、Hot Spotも最高79.7℃で頭打ちになり、「TWIN FROZR 9」の冷却性能は非常に優秀。余力も十分に残されており、敢えて高い冷却性能のVGAクーラーを搭載して、ファンの回転数を抑えることで静音性にも配慮していることがわかる。実際、騒音値も39dBAを超えることは一度もなく、計測時にはCPUクーラーのファンを停止しないと正確に騒音値を計測することができなかった。
最近のGPUは元々の動作クロックが高いこともあり、多少のオーバークロックではベンチマークやフレームレートにまったく違いがでないことがある。一方、今回の主役であるMSI「GeForce RTX 4060 Ti GAMING X 8G」では、リファレンスから最高+120MHzと大きくクロックが引き上げられていることもあり、CPUがボトルネックになるような場合を除き、多くのテストでその効果を確認することができた。
またGPUにGeForce RTX 4060 Tiを実装しているため、最新超解像技術DLSS 3に対応しているゲームであれば劇的にフレームレートを引き上げることが可能。さらにAMDの超解像技術FSRも利用でき、WQHD解像度までであれば、多くのゲームで高リフレッシュレート・高画質な設定で快適にゲームを楽しむことができる。
そして大幅にオーバークロックされているにも関わらず、消費電力がリファレンスモデルとほとんど変わらないのも大きなメリット。最新のオリジナルデュアルファンクーラー「TWIN FROZR 9」のお陰で、2スロット厚ながら冷却性能はもちろん、静音性は極めて優秀。さらに価格もこなれてきた「GeForce RTX 4060 Ti GAMING X 8G」は、内部スペースに制限があるミニタワーやMini-ITXケースを使用するコンパクトPCのアップグレードにはベストな1枚になるだろう。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社