最終更新日 2024年11月21日 17:27
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インタビュー
インタビュー Vol.41
Realtek&CFDのタッグでSSD市場に本格参入。その開発のこだわりに迫る
2023.08.06 更新
文:編集部 池西 樹/Tawashi
CFD
Realtek
SSD
インタビュー
コントローラ開発・製造の巨人「Realtek」
編集部
Realtekにお聞きします。日本の自作ユーザーにも馴染みの深いメーカーですが、その印象はネットワークやオーディオ系のコントローラメーカーだと思います。まずはRealtekについて改めて紹介をしてもらえますか。
Stevens氏
1987年の創業以来、ネットワークやマルチメディアコントローラの開発で躍進してきました。現在の社員数は約6,700名ですが、そのうち約8割はエンジニアで構成されており高い開発力を誇っています。また社内にはCommunications Network、Connected Media、Computer Peripheral、Multimedia、SI(Smart Interconnect)の5つのビジネスグループがあり、SSDのコントローラはこの中のSIに含まれています。
編集部
Smart Interconnect Business Group Vice PresidentであるChuting Su氏にお伺いします。SSDのコントローラ開発はいつごろからスタートしたのですか。
Su氏
SSDコントローラの開発を開始したのは約10年前です。社長との話し合いがキッカケで、今後主力になるであろうSSDのコントローラ開発に多数のエンジニアを投入することが決まりました。
編集部
単刀直入にお聞きします。Realtek製コントローラの優れている点を教えてください。
Su氏
いくつかあります。まずは完全なインハウス製だということです。SSDメーカーの中には自社製コントローラの採用を謳うところはありますが、その多くはコントローラ内部に採用している設計パターンの使用権利を外部から購入しています。一方、Realtek製コントローラはウェハから良質なICを選別し、設計パターンも社内のエンジニアチームが開発しマネージメントしたものです。よって品質管理とコストは他社より優れていると自負しています。
編集部
他にもインハウス製コントローラのメリットはありますか。
Su氏
ご存知の通りRealtek製コントローラは他社と比べて特別速いわけではありません。弊社が開発で一番こだわっているのは安定性です。瞬間的には速度が出てもサーマルスロットリングが頻繁に発生するようではダメなんです。コントローラにとって重要なのは、消費電力・発熱・互換性(AMDとIntel、WindowsとMacなど)です。これらがしっかりとしたうえで、どのような環境でも安定して動作することが大切だと考えています。
編集部
開発の過程で一番苦労する点はどこですか。
Su氏
組み合わせるNANDフラッシュとの相性問題です。キオクシアやWestern Digital、Micronをはじめ、主要メーカーのNANDフラッシュでチェックを行いエラーが出ないように調整をしています。この調整がうまくいかないと不良率に繋がりますので、完璧ではないですが常に最適化を進めています。
編集部
開発中にNANDメーカーとのやり取りはあるのでしょうか。
Su氏
はい。直接やり取りがあるのはキオクシア、SK hynix、Samsung、Western Digitalなどで、毎月テクニカルミーティングを実施しています。彼らのNANDフラッシュも積層数が増えたりと毎回アップデートがあります。ミーティング後にES品のNANDフラッシュを最優先で提供してもらい、すぐにエンジニアが相性や速度など詳細なテストを実施します。
編集部
PCI Express 5.0(x4)対応コントローラの開発状況についてお聞かせください。
Su氏
Realtekとしては、分厚いヒートシンクにファンを搭載しなければならないコントローラというのは実用性がないと考えています。現在、弊社のエンジニアはノートPCにも搭載できるPCI Express 5.0(x4)対応SSDを目指して、消費電力や発熱問題をクリアした製品を2023年末を目処にテープアウト、そして2024年2月には生産に入ることを目標に作業を進めています。
編集部
製造プロセスを教えてください。
Su氏
弊社では、現在2つのPCI Express 5.0(x4)対応コントローラを開発しており、ひとつはTSMCの12nmプロセス、もうひとつはTSMCの6nmプロセスになります。いずれも消費電力だけではなく発熱を抑えたコントローラとしてリリースしたいと思っています。
編集部
具体的な性能目標はありますか。
Su氏
シーケンシャル読込・書込とも最高10GB/sを目指しています。PCI Express 5.0(x4)対応SSDとしては最速ではありませんが、ノートPCへの搭載もターゲットにしている点がポイントです。来年にはIntelからPCI Express 5.0(x4)SSDに対応するノートPC(対応チップセット)が登場する予定です。これに合わせて、デスクトップPCだけではなくノートPCにも採用してもらうのが狙いで、ゲーム・チェンジャーになる製品だと期待しています。
編集部
新しいインターフェイスを採用する場合、どうしても大手CPUメーカーのA社やI社と歩調をあわせる必要がありますが、開発段階でどの程度関わっているのですか。
Dong氏
両者とは、20年以上前から頻繁にミーティングを行っています。BluetoothやLAN関連のネットワーク、マルチメディア、WEBカメラ関連など、最新のプラットフォームに合わせたコントローラを提供していますので非常に深い関係です。インプリメントの部分が多いため、エンジニア同士ですぐに情報交換できる体制になっています。次世代の最新プラットフォームサンプルも提供されているため、次にどのような製品が出てくるのかはほぼ把握しています。あまり詳細は言えないのですが(笑)。
編集部
Realtekから見た日本のSSD市場の印象を聞かせてください。
Dong氏
会社設立以来からテーマの一つとしているのは「日本のモノ作りは世界一」という考えです。私はかつてBluetoothやWEBカメラの部門を担当していましたが、当時メインで取引を行っていたのが、日本の大手メーカーであるF社、N社、T社、P社で彼らのモノ作り対する姿勢を学びました。日本市場で成功すれば、世界で通用すると考えているのは弊社だけではないはずです。現在でも前述の日本大手メーカーとは取引関係にあり、BluetoothやLAN関連のネットワーク、マルチメディア、WEBカメラ関連と実に多くの分野にわたり弊社のチップが採用されています。
編集部
ここ最近、値下がりが続くNANDフラッシュ市場ですがRealtekはどのように見ていますか。
Dong氏
あくまで私の推測ですが、NANDメーカーの抱える在庫に目処がつくであろう2024年第2四半期ごろまでは下がる傾向が続くと思います。その後の展開は分かりません。ただ言えることは、SSDメーカーは大容量モデルを売らないと儲からないということです。NANDフラッシュの価格が下がっているので、販売価格が高い2TBや4TBへの要求が上がると必然的にNANDフラッシュの在庫も早く減るので、メーカーにとっては一石二鳥というわけです。
編集部
少々話題は変わりますが、なぜロゴマークが「カニ」なんですか。
Su氏
カニは激しい起伏があるような場所でも、後ろに下がらず忍耐強く最後の目標まで進みます。Realtekのポリシーもそうありたいというのが理由です。実は1987年の設立当初は社名が「Realtek Microchip Electrical」でした。その後、新竹市に引っ越すにあたり「Realtek Semiconductor」になりました。そのため、カニのロゴマークのなかに「RMC」という設立当初の社名を短縮した文字が入れられています。ちなみにカニの足の部分はICの回路を表しています。
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