エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1320
2023.08.08 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
外観の確認が一段落したところで、続いて「AMD Radeon RX 7600 Phantom Gaming 8GB OC」に実装されているトリプルファンクーラー「Phantom Gaming 3X Cooling System」の構造を確認していこう。冷却ファンは表面に2本の溝を備えた「Stripe Structure」を、裏面は研磨した「Polishing Surface」加工を施すことで風量を高めた「Striped Axial Fan」を搭載。GPUやメモリの温度が55℃以下になると停止、60℃以上になると回転するセミファンレス機能「0dB Silent Cooling」に対応する。
3基の「Striped Axial Fan」を搭載する「Phantom Gaming 3X Cooling System」。左右のファンは半透明のダークグレー、ARGB LEDを内蔵した中央はクリアなファンブレードを採用する |
またファンからの風を効率よく取り込む「V-shaped Cutting」デザインの冷却フィンや、V字型のエアベント「V-shaped Air Vent」、密着度を高めた3本のヒートパイプ「Ultra-Fit Heatpipe」、GPU全体をカバーする大型の銅製ベースなどを組み合わせることで、優れた冷却性能を発揮する。
ヒートシンクは2ブロック構成で、3本のヒートパイプで連結されている |
GPUとの接触部分には大型の銅製ベースを備え、サーマルグリスには熱伝導率に優れる「Nano Thermal Paste」を採用。またその周囲にはメモリを冷却するためのプレートも実装する |
前方のヒートシンクには3本のヒートパイプがバランスよく貫通。また電源回路を冷却するための「Premium Thermal Pad」も貼り付けられている |
ここからはクーラーを取り外したオリジナル基板側をチェックしていこう。電源回路は8+1フェーズ構成で、MOSFETには最大50Aの連続電流を駆動できるDr.MOSを搭載。またコンデンサは最大90Aまで対応する「Premium 90A Power Choke」で、基板には湿気に強い高密度ガラス繊維と2オンス銅箔層を備えたマットブラックのPCBを採用する。
カードサイズの約3分の2のコンパクト基板を採用することもあり、パーツの実装密度はかなり高め |
RDNA 3アーキテクチャのモノリシックダイを採用するRadeon RX 7600。その周辺には容量2GBのSK hynix製GDDR6メモリを4枚搭載 |
電源回路は8+1フェーズ構成で、MOSFETにはいずれも50A Dr.MOSを搭載 |
PWMコントローラはInternational Rectifier「IR35217」を採用 | ARGB LEDやファン用のコネクタは基板右下にまとめて実装 |
基板の裏面には主要なコントローラは実装されていなかった |
バックプレートを確認すると、GPUコアやメモリ部分にはサーマルパッドが貼り付けられ、裏面からも放熱をサポートする仕組み |