エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1320
2023.08.08 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
テストセッションのラストはミドルレンジクラスのグラフィックスカードとしては、大型なオリジナルトリプルファンクーラー「Phantom Gaming 3X Cooling System」の冷却性能をチェックしていこう。なお消費電力の計測と同じく、ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用している。
ファン回転数はテスト開始直後こそ1,400rpm強まで上がるものの、その後は1,100rpm台、回転率も20%前後とかなり控えめ。にもかかわらずGPU温度は最高59℃、ホットスポットの温度も最高79℃までしか上がらず、冷却性能にはまだまだ余力が残されている。また冷却ファンの回転数が低いこともあり、騒音値も35.4dBAで頭打ち。実際にテストをしていてもCPUクーラーのファンのほうが気になる状態だった。
GeForce RTX 4060に比べるとレイトレーシングなどの最新APIは苦手にしているものの、Direct X12やDirect X11といったラスタライズを使用するベンチマークであれば同等かそれ以上のパフォーマンスを発揮するRadeon RX 7600。
実際のゲームでもレイトレーシングを使わなければ、WQHD解像度までなら高画質な設定で多くのゲームが快適に動作可能。さらにフルHD解像度であれば高リフレッシュレートなゲーミングディスプレイの性能を存分に引き出すことができる。それでいて価格はGeForce RTX 4060より安価なことから、コストパフォーマンスを重視するならミドルレンジグラフィックスカードとしては有望な選択肢になる。
さらに今回の主役である「AMD Radeon RX 7600 Phantom Gaming 8GB OC」は、オリジナルトリプルファンクーラー「Phantom Gaming 3X Cooling System」のおかげで、冷却性能や静音性も極めて優秀。そのサイズゆえ搭載するPCケースを選ぶものの、その点さえクリアできるのであればフルHDの液晶ディスプレイと組み合わせるゲーミングPCにはまさにうってつけの製品と言えるだろう。
協力:ASRock Incorporation