エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1326
2023.08.20 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
次に拡張スロットを90°回転させ、グラフィックスカードの垂直マウントを試した。当たり前だが、前方クリアランスはそのままで、3スロット占有の大型グラフィックスカードでも問題なく設置スタイルの変更ができた。
次にグラフィックスカードをカード長243mmのGeForce RTX 4070 Founders Editionにチェンジ。幅112mm、厚さ40mmで2スロットを専有するGeForce RTX 40番台ではショートモデル。換装した理由はもちろん、マザーボード右手に240mmサイズラジエーター採用のオールインワン型水冷ユニットを搭載するため。グラフィックスカードは垂直マウントのみを試したが、うまく共存ができた。なおサイド部にラジエーターを設置した場合のグラフィックスカード有効スペースは、公称で最大285mmまでとされる。
ラジエーターファンとVGAクーラー内蔵ファンが左側面の強化ガラス製サイドパネルと正対し、魅せるPCの基本スタイルが完成した。グラフィックスカード、ラジエーター共にクリアランスは申し分ない。見た目のバランスも良く、トップ部の空きスペースが気になるなら、排気ファンの導入を検討してみてはどうだろう。この状態でまだ拡張できる余地を残している。
WIZMAXブランドの製品に初めて触れ、そして深掘りしていく過程で感じたのは、Hanmi Micronicsが持つ独特な個性。ついに明確な理由は見出せないまま「総評」になってしまったが、どのメーカーからも感じない独自の世界がここにはある。イマドキのポイントを押さえた設計である事は間違いないが、それでいて最先端とも違う。レビュアーとしては失格だが、未だEH1 Mondrianをうまくまとめられないでいる。
そんな気にさせているのは、やはりあのフロントパネルデザインの存在かもしれない。ピート・モンドリアンにインスパイアされたフロントパネルは強烈な印象を残し、恐らく内部構造を忘れてもあのデザインは記憶に残り続けるだろう。モダニズムと現代テクノロジーを合体させたギャップはなかなか埋まらず、そのアンバランスさがEH1 Mondrianの正体だ。
ミドルタワーPCケースとして、イマドキの売れ筋に引けを取らない。あとは件のフロントパネルデザインに心動かされれば、ユーザーにとって長く使えるPCケースになってくれる。
協力:Hanmi Micronics(WIZMAX)
株式会社リンクスインターナショナル