エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1330
2023.09.01 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
Assassin IIIでは2基の140mmファン構成のところ、Assassin IVでは異なる口径の120mmと140mmを各1基装備している。前作が直接的なライバルという関係ではないが、1基を120mmに変更したことで冷却性能に違いはあるのだろうか。ここからは再度カバーを装着した状態で検証を進めていく。
第1ヒートシンクと第2ヒートシンク間に搭載されているのは、140mmファンだ。上部2つのネジ穴を利用し、専用の固定用金具を装着。両端のレバーを押すとロックが外れ、上方向に引き抜く事ができる。受熱ベースプレートのスプリングスクリューをネジ留めする作業には、一旦中央の140mmファンを取り外さなければならない。
搭載ファンスペックは、回転数500~1,700rpm±10%、騒音値最大29.3dBA、風量79.1CFM、静圧2.44mmAqで、軸受けにはFluid Dynamic Bearingが採用されている。そして特徴的なのは、三相6極ファンモーターの採用。冷却ファンの耐用年数を延ばし、振動と騒音を低減する事ができる。なお羽枚数は計9枚で構成されている。
そして第1ヒートシンク外側に固定されているのが2基目のファンだ。プラスチック製のカバーに両脇からツメで固定されている120mmファンのスペックは、回転数500~1,700rpm±10%、騒音値最大29.3dBA、風量58.06CFM、静圧2.1mmAq。140mmファン同様のFluid Dynamic Bearingと三相6極ファンモーターが採用されている。
羽枚数は計9枚で、エアフロー方向はヒートシンクの熱を排出する「排気」になる |
なおバックパネル側に搭載されるプラスチック製のカバーは、固定位置の変更が可能。実測で15mm上方向に固定値を変更することで、MOSFET等の冷却用大型ヒートシンクを避ける事ができる。イマドキのマザーボード事情を考慮しての対応も抜かりない。
撮影テスト用に装着したマザーボードでは問題無かったが、大型ヒートシンクを備えるハイエンド志向のマザーボードにも柔軟に対応できるよう120mmファンは上部へ15mm移動できる |
Assassin IVには、カバー天板の右端にスイッチが装備されている。極めてシンプルなスライドスイッチは、手前がPerformanceモード、奥がQuietモードの切り替えに対応。システム構成や、ときにシーンによって搭載ファンの回転数を設定できる。ちなみにPerformanceモードはTDP280Wに対応し、Quietモードでは22.6dBAで動作する。
多少解りづらいが、イラストが賑やかな方(手前)がPerformanceモード、反対側(奥)がQuietモード |
そして冷却性能を向上させるアイテムとして「120mmファン増設用アダプタ」が付属する。これは第3の冷却ファン増設用で、第2ヒートシンク外側(メモリスロット側)にワンタッチで装着可能。オプションの120mmファンはアダプタの内側から付属のテーパーネジで固定し、外気を素早くヒートシンク内に取り込む事ができるというワケだ。
隣接するメモリスロットには多少干渉する格好だが、固定位置を上に20mmずらしての設置にも対応。最強空冷環境を整えたいなら、迷わず導入と言ったところだろうか。