エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1332
2023.09.06 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ゲーム関連のベンチマークが一段落したところで、消費電力をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Speed Way Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
Radeon RX 7800 XT、Radeon RX 7700 XT、Radeon RX 6700 XTについてはいずれも消費電力は横並び。Radeon RX 7800 XTはリファレンスモデルのため、その他の2モデルより消費電力的には有利であることを考慮してもワットパフォーマンスは圧倒的だ。そしてRadeon RX 7700 XTについても、Radeon RX 6700 XTから約30%近く性能が向上しているにも関わらず、消費電力は同等レベルに抑えられており、ワットパフォーマンスは大幅に改善されている。
テストセッションのラストはVGAクーラーの冷却性能をチェックしていこう。なお消費電力の計測と同じく、ストレステストには「3DMark Speed Way Stress Test」を使用している。
まずRadeon RX 7800 XTの結果を確認すると、GPU温度は70℃前後、Hot Spotは85℃前後、ファンの回転数は1,500rpm前後、回転率は55%前後で推移し、冷却性能にはまだ余力がある状態。冷却ファンのノイズも40dBA前後で、CPUクーラーのファンのノイズとほとんど変わらなかった。
続いてRadeon RX 7700 XTの結果を確認すると、GPU温度は65℃前後、Hot Spotは85℃前後、ファンの回転数は1,200rpm前後、回転率は30%前後にとどまる。さらに冷却ファンのノイズも35dBA前後で、CPUクーラーのファンを強制的に停止させないと計測ができないほど静音性も良好だった。
今回はRDNA 3アーキテクチャのラストピースとして投入されたRadeon RX 7800 XTとRadeon RX 7700 XTの検証を進めてきた。いずれのGPUでもAMDの謳い文句通りWQHD解像度までなら、今回検証したほぼすべてのゲームで快適な動作が可能。さらにRadeon RX 7800 XTに関しては多くのゲームで4K解像度も十分視野に入る性能を発揮した。
そしてAMDがライバルとしているGeForce RTX 4070やGeForce RTX 4060 Tiとの比較でも、レイトレーシングやDirectX 12 Ultimateといった最新機能を利用するPort Royal、Speed Wayでもかなり健闘。さらにTime SpyやFire Strikeのようなラスタライズ系のベンチマークでは圧倒する。
そんな両製品だが、北米市場向けの価格はRadeon RX 7800 XTが499ドル、Radeon RX 7700XTが449ドルで、その差は50ドルしかない。原稿執筆時点で国内価格は明らかにされていないが、差額はおそらく7,000円~10,000円にとどまるだろう。それでいてRadeon RX 7700 XTとRadeon RX 7800 XTの性能差は最大で40%以上もあることから、Radeon RX 7800 Xはかなりお買い得な価格設定になっている。どちらかというとRadeon RX 6800 XTではなく、Radeon RX 6800の後継に近いイメージである点は理解しておく必要があるものの、WQHDゲーミングの新たな選択肢として魅力的な製品だ。
協力:日本AMD株式会社