エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1337
2023.09.22 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
ベンチマークやゲームプレイ中に、「Stealth 16 Mercedes-AMG」はどのようにCPU・GPUを冷却していたのか。冷却システム「Cooler Boost 5」の実力をチェックしてみよう。CPUには「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:10 minutes」、GPUには「3DMark Speed Way Stress Test」(10分間)で負荷をかけ、その際の挙動をHWiNFO64で計測した。
連続テスト実行当初は最大4.9GHz程度までクロックが上昇するものの、すぐにパワーリミット設定に沿って4.3GHz前後に推移。その後は時折一部コアでサーマルスロットリングが発生しつつも、4.2GHz前後を維持しながら動作していた。約2cm厚の極スリム設計であることを考慮すれば、十分にCPUの実力を引き出していると言える。ただし冷却ファンのフル稼働状態はそれなりの騒音になるため、ゲーミングヘッドセットを使用したプレイをオススメしたいところだ。
GeForce RTX 4070 Laptop GPUの公称スペックにおける動作クロックは2,175MHzとされているが、それを上回る2,300MHz前後で動作しており、しっかりGPUの性能を発揮できている。コア温度も70℃程度に留まり、サーマルスロットリングは発生していない。ゲーム検証における優秀なパフォーマンスは、確かな冷却機構に裏打ちされた結果というわけだ。
最後は「Stealth 16 Mercedes-AMG」動作中の消費電力をチェックして、各種検証を締めくくろう。ストレステストの「3DMark Speed Way Stress Test」を動作させた際の数値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時として、それぞれワットチェッカーによる計測を行った。
ハイエンド構成と言えども、アイドル時は36Wとおとなしい数値。高負荷時は最大180W近くまで増加するものの、付属ACアダプタの容量は240Wのため、フルパワーでの動作にも不安はない。ハードコアなゲームプレイなど、高負荷なタスクも遠慮なしにブン回せるというわけだ。
デスクトップPCも顔負けのパフォーマンスと、Mercedes-AMGコラボの特別デザインによる溢れる高級感。その両方を満たす「Stealth 16 Mercedes-AMG」は、モータースポーツファンはもとよりワンランク上のハイパワーノートPCを求める人にとって、まさにうってつけの1台だ。クラフトマンシップを随所に感じる仕上がりの良さは、これ以上なく“オーナー”としての所有欲を刺激してくれる。
さらにCore i9-13900HとGeForce RTX 4070 Laptop GPUの構成が詰め込まれたスリム筐体、それを可能にした強冷仕様の冷却システムなど、外装だけでなく内部設計や構成スペックも一級品。トップクラスの高輝度と広色域をもつ4K+の有機ELディスプレイも、実に美麗で魅力的だ。
WQHD解像度かつ140~170Hz駆動に対応する、高フレームレート志向のゲーム向けモデルがない点は、やや気になるところ。しかし(Game Readyドライバではなく)NVIDIA Studioドライバがインストール済みで出荷されるあたり、よりクリエイティブ向けタスクを意識した製品ということだろう。ゲーミング用途でも、情感たっぷりの映像で世界観に没入するようなタイトルとは相性抜群。幅広いシチュエーションで活躍してくれること間違いなしだ。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社