エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1338
2023.09.25 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWは通常の水平マウントに加え、別途ライザーケーブルを用意すれば、垂直マウントも選択できる。左サイドパネルには強化ガラスが装着されているため、VGAクーラーを正対させるスタイルは魅力的だろう。さらに標準装備品のグラフィックスカードスタンドも垂直マウントに対応。いずれも追加投資無しに実現できる点は、MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWの大いなるセールスポイントと言えよう。
オプションのライザーケーブルをセットした状態。なお基板とボトムカバー天板の間には、付属のスタンドオフ「Stand-off #6-32 6.5mm」を使用している |
垂直GPUブラケット使用時、上下の「GPU Support」はマザーボードトレイ側に設置。グラフィックスカード裏側から支えるスタイルに変更した |
垂直マウント時、グラフィックスカード固定用ネジが締めにくい。ここで付属の「L-shaped Screwdriver」が活躍するというワケだ |
冒頭でも触れたように、MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWの外観はイマドキのミドルタワーPCケース。いつの間にかインプットされたこのスタイルこそ、誰もが思い浮かぶ現在のゲーミングミドルタワーPCケースの姿だ。
「熟成」または「完成形」と言えば聞こえはイイが、「画一的」と言われるのはイヤだろう。これまで「あのPCケースとは違う」何かを仕掛けようとするメーカーの努力に数多く触れてきたが、MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWはどうか。決して100点満点ではないが、かなり高得点である事は検証で明らかになった。
中でも秀逸なのは基幹構成パーツ間のクリアランスだ。トップパネルに360mmサイズラジエーターを固定しても周辺に余裕があり、圧迫感を感じない。例えばリア120mmファンはトップパネルから80mmのマージンがあり、十分な距離感は組み込み易さもアシストしている。
ただひとつ注文を付けるとすれば、一目でMSIと分かる個性がほしい。自社製構成パーツだけで組み込めばさすがにそれらしくなるが、内・外装デザインだけでMSIらしさを感じられるまでには至っていない。老舗PCケースメーカーは、大きなロゴやネームプレートが無くとも、およそメーカーの見当は付く。長い自作PC史から見れば、MSIのPCケース部門はまだ始まったばかりだ。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社