エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1339
2023.09.27 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずは3Dベンチマークソフトの定番「3DMark」から、レイトレーシングの性能をチェックする「Port Royal」のベンチマーク結果を確認していこう。
リファレンスモデルに比べてベースクロックが2,124MHz→2,254MHz、ブーストクロックが2,430MHz→2,565MHzへと引き上げられている「NITRO+ RX 7800 XT」。「Port Royal」のスコアは10,737で、先日検証を実施したリファレンスモデル(10,218)からほぼクロック通り5%パフォーマンスが向上している。またフレームレートも約50fpsを記録し、テスト中の動画もなめらかに再生することができていた。
続いて「PURE RX 7700 XT」のスコアを確認すると総合スコアは8,928で、「NITRO+ RX 7800 XT」と比較するとその差は約20%。とはいえ、フレームレートは40fpsを超えており、シングルプレイならWQHD解像度でも超解像技術を使用する必要はないだろう。
レイトレーシングの他、メッシュシェーダーや可変レートシェーディング、サンプラーフィードバックなどの機能を備えた最新API DirectX 12 Ultimateを使用する「Speed Way」の結果も確認しておこう。
「NITRO+ RX 7800 XT」のスコアは3,940で、やはりリファレンスモデル(3,740)からは約5%スコアが向上している。また「PURE RX 7700 XT」と「NITRO+ RX 7800 XT」の比較では、その差が約24%に広がり、APIにDirectX 12 Ultimateを使う処理では、レイトレーシングのみの処理に比べてメモリ帯域幅の影響がより大きくなるようだ。ただし、フレームレートはシングルプレイの目安となる30fpsをクリアしており、テスト中の動画もコマ落ちなどは発生していなかった。
続いてまだまだゲームでは主流のラスタライズ性能を確認していこう。まずはAPIにDirectX 12を使用する「Time Spy」のスコアからだ。なおプリセットは「Time Spy」と「Time Spy Extreme」の両方で計測を行った。
「NITRO+ RX 7800 XT」とリファレンスモデルの比較では、いずれのプリセットでもGraphics scoreは約5%上回る。またフレームレートはWQHD解像度の「Time Spy」ならいずれも100fps以上、4K解像度の「Time Spy Extreme」でもGraphics test 1で60.8fps、Graphics test 2でも54.58fpsをマークし、APIにDirectX 12を使うゲームなら4K解像度でも高画質な設定でゲームを楽しめる。
続いて「PURE RX 7700 XT」のスコアを確認すると、WQHD解像度の「Time Spy」ならGraphics test 2でも96.62fpsでパフォーマンスは全く問題なし。4K解像度の「Time Spy Extreme」ではGraphics test 2で45.42fpsまでスコアが落ち込むため、マルチプレイでは若干画質を調整したほうがいいゲームもありそうだが、シングルプレイなら十分な性能を発揮する。
「3DMark」のラストは、APIにDirect X11を使用する旧世代のラスタライズテスト「Fire Strike」のスコアを確認しておこう。なおディスクリートグラフィックスカードということを考慮して、プリセットは「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の3種類全てで計測を行っている。
やはり「NITRO+ RX 7800 XT」とリファレンスモデルの比較では、4~6%の差が付きオーバークロックの効果は確実にある。また「NITRO+ RX 7800 XT」と「PURE RX 7700 XT」の差は、フルHD解像度で約18%、WQHD解像度や4K解像度では約23%に広がり、高解像度環境のほうがメモリバス幅の影響が大きくなるようだ。
ちなみにフレームレートはRadeon RX 7800 XTやRadeon RX 7700 XTがメインターゲットにしているWQHD解像度の「Fire Strike Extreme」までなら、「PURE RX 7700 XT」でも80fps以上をマークし、マルチプレイでも全く問題なし。ただし、4K解像度の「Fire Strike Ultra」ではGraphics test 2のスコアが「PURE RX 7700 XT」で39.21fps、「NITRO+ RX 7800 XT」でも46.93fpsに留まることから、重量級のゲームでは画質の調整が必要になるものもあるだろう。