エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1339
2023.09.27 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
続いて消費電力をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Speed Way Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
アイドル時の消費電力は省電力機能が働くためいずれも横並び。また高負荷時の消費電力は「NITRO+ RX 7800 XT」が約400W、「PURE RX 7700 XT」が約370Wでその差は約30W。公称消費電力(288Wと240W)に比べるとその差は小さく、ワットパフォーマンス的には「NITRO+ RX 7800 XT」のほうが優秀と言っていいだろう。
テストセッションのラストはオリジナルトリプルファンクーラー「Tri-X」の冷却性能をチェックしていこう。なお消費電力の計測と同じく、ストレステストには「3DMark Speed Way Stress Test」を使用している。
まず「NITRO+ RX 7800 XT」の結果を確認すると、ファン回転数1,100rpm前後、回転率も最高24%にも関わらず、GPU温度は最高65℃、Hot Spot温度も最高86℃までしか上がらず冷却性能は極めて優秀だ。冷却ファンのノイズも34.9dBAで、バラック状態でのテストにも関わらずほとんど風切り音は聞こえなかった。
続いて「PURE RX 7700 XT」の結果を確認すると、ファンの回転数は1,250rpm前後、回転率は30%前後、ノイズレベルは37.2dBAで「NITRO+ RX 7800 XT」よりはいずれもやや高めだが風切り音は気にならなかった。それでいてGPU温度は最高61℃前後、Hot Spot温度も最高82℃までしか上がらず、しっかりとGPUを冷やすことができている。
Radeon RX 7800 XT、およびRadeon RX 7700 XTの解禁に合わせて、最多となる計7モデルのラインナップを揃えたSAPPHIRE。今回はその中からトリプルファンクーラーを搭載する「SAPPHIRE NITRO+ Radeon RX 7800 XT GAMING OC 16GB GDDR6」と「SAPPHIRE PURE Radeon RX 7700 XT GAMING OC 12GB GDDR6」の検証をお届けした。
リファレンスではデュアルファンクーラー(Radeon RX 7800 XTのみ)だったGPUに、敢えて大型のトリプルファンクーラーを組み合わせることでファンの回転数を低く抑えることに成功しており、いずれのモデルでもノイズは全く気にならなかった。
VGAクーラーが大型ゆえ全長は300mm超え、拡張スロットも実質3スロットを占有する。小型のPCケースではそれなりにスペースが注意になるものの、イマドキのミドルタワーPCケースの多くに搭載できるだろう。また「SAPPHIRE PURE Radeon RX 7700 XT GAMING OC 12GB GDDR6」については、ホワイトで統一したPCはもちろんのこと、ブラックのマザーボードと組み合わせたツートンカラーのPCもコーディネート的には悪くない。
そして「SAPPHIRE NITRO+ Radeon RX 7800 XT GAMING OC 16GB GDDR6」に関しては、強力な電源回路と高い冷却性能を活かし、クロックがかなり高めに設定されているのもトピック。リファレンスモデルからの上積みも確実にあることから、静音性を確保しつつパフォーマンスも求めるユーザーにこそ使って欲しい1枚だ。
協力:株式会社アスク
SAPPHIRE TECHNOLOGY LIMITED