エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1355
2023.11.10 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
続いて「V-Ray 5」ベースのレンダリングベンチマーク「V-Ray 5.0.2 Benchmark」の結果を確認しておこう。
こちらもこれまでのオーバークロックメモリのレビューではスコアにほとんど差が出なかったテストだが、DDR5-4800から約3%スコアが向上している。
レンダリング系ベンチマークのラストは、3Dモデリングソフト「Blender」の性能を計測する「Blender Benchmark 3.6.0」の結果を確認していこう。レンダリングにはCPUを選択し、サンプルは「monster」「junkshop」「classroom」の3種類を使用した。
「Blender」は、これまでのレンダリングベンチマークに比べるとメモリクロックの影響が大きいこともあり、「monster」や「classroom」で約5%、「junkshop」では約10%スコアが向上した。データの小さいレンダリングではその影響は微々たるものだが、大規模なレンダリングを行う場合には、処理時間に無視できない違いが出ることだろう。
続いて、圧縮・解凍ソフト「7-Zip」の内蔵ベンチマークの結果を確認しておこう。
「7-Zip」のベンチマークでは、圧縮と展開の2種類の処理を実施しているが、展開についてはメモリへのアクセスがあまり無いこともあり、その差は約4%でここまでのレンダリング処理とほぼ同じ。一方、圧縮処理ではメモリの使用量が急激に増加することから約16%と大きくスコアを伸ばしている。
「7-Zip」ベンチマーク実行時のメモリ使用量。展開処理時のメモリ使用量は7.0GB台(画像左)なのに対して、圧縮時は12.0GB前後(画像右)まで増加する |
続いて、実際にAdobe PhotoshopやAdobe Premiere Proのアプリケーションを使い、クリエイティブな処理性能を確認できる「UL Procyon」ベンチマークの結果をチェックしていこう。プリセットには画像処理性能を測定する「Photo Editing Benchmark」と、動画処理性能を測定する「Video Editing Benchmark」の2種類を使用している。
まず「Photo Editing Benchmark」のスコアを確認すると、「Adobe Photoshop」を使用する「Image Retouching score」では約6%、「Adobe Lightroom Classic」を使用する「Batch Processing score」でも約5%の差がつき、総合スコアでも約6%高いスコアを記録した。そして「Adobe Premiere Pro」による動画ワークフロー性能を測定する「Video Editing Benchmark」も約4%パフォーマンスが向上している。特に「Adobe Premiere Pro」では、処理時間が数時間に及ぶものもあることを考えると、4~5%の違いでも馬鹿にできない差になるだろう。