エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1358
2023.11.14 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
次に見て行くのはラジエーターだ。手元資料によると、DE360が採用するラジエーターは「高充填密度ラジエーター」とされる。
これをどう解釈するかと言えば、CPS曰く通常のラジエーターが採用する冷却フィンが16mm厚のところ、DE360は20mm厚を採用。これによりラジエーター自体の重量は一般的な170gに対し210gとされ、厚さの分だけ重量も加算されている。こうして熱接触面積を最適化することで、冷却液の熱を下げる速度が向上し、繰り返される冷却サイクルをより高いレベルに引き上げる事を目的としている。
この設計が想定通りかは最終セッションの冷却テスト次第だが、一見どれも同じように見えるラジエーターも、独自の味付けや設計思想が盛り込まれている事が分かった。
スペック表でも触れた通り360mmサイズと呼ばれるラジエーターの実質的な長さは396mm。同クラスが採用するラジエーターは、ほぼ400mm以下に収められている |
ラジエーターに搭載される冷却ファン(120x120x25mm)は「リキッドブーストファン」と名付けられている。軸受けにFDB(Fluid Dynamic Bearing)を採用し、冷却ファンを構成する核となる部品間の摩擦を低減。これにより長寿命と低騒音を特徴とする。
またラジエーターに向く特性としてブーストフレームを採用し、詳細スペックは回転数600~1,850rpm±10%、騒音値16~33.8dBA、風量最大71.86CFM、静圧最大2.64mmH2Oとされる。
25mm厚のリブ無しフレームを採用。電圧はDC12V、電流は0.21±0.03A、消費電力は2.52W |
ブレード数は標準的な9枚羽仕様。羽形状自体もオーソドックスながら、製品資料からはエアフロー重視タイプとされている |
ラジエーター用を思わせるのがケーブル長。中心から実測で約100mm、フレームから約50mmで、3基の冷却ファンを最低限のケーブル露出で接続しようという考え。フレーム四隅には防振用ゴムが装着済み |