エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1358
2023.11.14 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
ファン回転数はいずれも公称最大値となる1,800rpmで安定したグラフ。ノイズレベルも46dBA前後まで上昇し、聞こえてくる風切り音もPL1/PL2=125Wに比べるとだいぶ大きくなっている。ただし、これはハイエンドの空冷クーラーやオールインワン型水冷ユニットではどれも同じ。Package Powerが200Wを超えるような設定でCPUを動作させる場合、静音性については割り切る必要があるだろう。
PL1/PL2=125W設定の「CINEBENCH 2024」の結果 |
PL1/PL2=253W設定の「CINEBENCH 2024」の結果 |
またPL1/PL2=125WとPL1/PL2=253Wの「CINEBENCH 2024」のスコアを確認すると、シングルコアテストは122ptsで全く同じだが、マルチコアテストは1,574pts→1,815ptsへと約15%上昇している。レンダリングや動画のエンコードなど、マルチスレッドに最適化した処理を行うなら「DE360 BLACK」のような高性能なオールインワン型水冷ユニットを使い、Package Powerを引き上げるメリットはかなり大きい。
続いて、Power Limitが実質無制限となるPL1/PL2=4,096Wに設定した場合の冷却性能をチェックしていこう。
「OCCT 12.1.10」では、Package Powerが220~250Wに増加しているため、CPU温度も80℃前後へと約10℃上昇した。さらに「CINEBENCH 2024」ではPackage Powerは275W前後に達し、途中何度か100℃にタッチするシーンはあるものの、平均値は94℃前後で、いまだ冷却性能が不足することはないようだ。
ファン回転数は「OCCT 12.1.10」「CINEBENCH 2024」ともPL1/PL2=253Wと同じ1,800rpm前後まで上昇し、騒音値は46dBA前後で推移する。
PL1/PL2=253W設定の「CINEBENCH 2024」の結果 |
PL1/PL2=4,096W設定の「CINEBENCH 2024」の結果 |
また「CINEBENCH 2024」のマルチコアテストのスコアを確認すると、Pコア、Eコアともクロックのブレが少なくなっていることもあり、1,815pts→1,860ptsへと約2%上昇した。冷却性能にも問題がないことから、「DE360 BLACK」でCore i7-14700Kを使う場合にはPower Limitは無制限設定で問題ないだろう。