エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1360
2023.11.18 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
サイコム「Silent-Master NEO Z790/D5」 基本構成売価税込282,720円(2023年11月現在) 製品情報(株式会社サイコム) |
BTOメーカーは数あれど、自社でカスタムしたオリジナルのグラフィックスカードを手がける存在は希少だ。サイコムはその数少ないメーカーの代表格で、オリジナル水冷化を施したグラフィックスカードを搭載するデュアル水冷仕様の「G-Master Hydro」シリーズは、長くラインナップの柱になってきた。
そのサイコムが新たに完成させたのが、優れた静音性と冷却性能に定評のあるNoctua製ファンを採用した、“超静音”空冷グラフィックスカードの「Silent Master Graphics」だ。Noctua製ファンをデュアル搭載し、それを長尾製作所が手がけたファンカバーを用いてマウント。トップクラスの静音性とパフォーマンスを発揮する、BTOメーカーでは唯一無二のオリジナルカードが誕生した。
サイコム独自の検証によると、「Silent Master Graphics」の騒音値は高負荷時でも40dB以下を計測。冷却能力も高い次元で両立させており、静音性を重視するPCに組み込むには理想の選択肢と言える。
Noctuaのファンをデュアル搭載、それを可能にするファンカバーは長尾製作所が手がけた |
Noctua製ファンを搭載したグラフィックスカードとくれば、某パーツメーカーの製品を思い浮かべる人も多いかもしれない。しかし搭載モデルはごくわずか、ラインナップが限られる上に生産数も少なく極めて高価という、スペシャルな存在だった。
「Silent Master Graphics」は現在GeForce RTX 4070とGeForce RTX 4060 Ti搭載の2モデルをラインナップし、サイコムの主要BTOシリーズのすべてで選択可能。さらにこれらが一過性のプロダクトでないことは、これまで長く手がけてきたオリジナル水冷グラフィックスカードの歴史が証明している。サイコムのBTO限定とは言え、スペシャルな静音グラフィックスカードが常に入手可能になったというわけだ。
そしてそんな「Silent Master Graphics」を標準構成で採用しているのが、“究極の静音PC”を謳う「Silent Master」シリーズだ。遮音パネルを装備する静音PCケースとNoctua製の静音クーラーを組み合わせたBTOだけに、Noctuaファンを搭載した静音グラフィックスカードとのマッチングは抜群。まさに約束されたパートナーと言っていい。
その中から、今回主役として取り上げるのは「Silent-Master NEO Z790/D5」。第14世代Intel CoreプロセッサとIntel Z790プラットフォームを採用する、シリーズの最新モデルだ。
基本構成を確認しておくと、CPUは14コア/20スレッドのCore i5-14600Kを搭載し、その冷却にはNoctuaのサイドフロー型クーラー「NH-U12S」を採用。グラフィックスカードは「Silent Master Graphics」のGeForce RTX 4060 Tiモデルがチョイスされている。
また、マザーボードにはASRock「Z790 Pro RS」が採用され、メモリはDDR5-4800 16GB(8GB×2)、ストレージはPCI Express 4.0(x4)対応のCrucial「P5 Plus」シリーズ1TBモデルを内蔵。電源ユニットは80PLUS GOLD認証を取得したCooler Masterの650Wモデル「V650 GOLD V2」で、これらが組み込まれるのは遮音パネルを装備するCooler Masterの静音ミドルタワー「Silencio S600」だ。
さらにPCケースに取り付けられた冷却ファンもNoctua製という、徹底した静音へのこだわり。「Silent Master Graphics」との合せ技により、静音特化のコンセプトはより一層強化されたと言える。
”究極の静音”を謳う「Silent Master」シリーズは、独自に公的第三者機関の無響室を利用した徹底検証を行い、その優れた静音性が証明されている |