エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1361
2023.11.20 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずは短時間でテストが終了するため、瞬間的な最高パフォーマンスを計測することができる「CINEBENCH R15」の結果から確認していこう。
シングルコアテストは、コアクロックが高いRyzen 9 7950XやCore i9-14900Kにはさすがに敵わない。とはいえ、以前検証を行ったRyzen Threadripper PRO 5995WX(240cb)からはRyzen Threadripper 7980Xでも約22%、Ryzen Threadripper 7970Xでは約28%もスコアが上昇している。
そしてマルチコアテストだが、Ryzen Threadripper 7980Xは14,524cbで、Ryzen 9 7950XやCore i9-14900Kの2.3倍以上、Ryzen Threadripper 7970Xでも約1.7倍の10,582cbと圧巻のスコアを記録した。ちなみにRyzen Threadripper PRO 5995WX(10,458cb)との比較でもコア数が半分のRyzen Threadripper 7970Xでほぼ同等、コア数が同じRyzen Threadripper 7980Xでは4割以上も上回る。
続いて「CINEBENCH R15」よりも処理が重く、テスト完了までの時間がかかる「CINEBENCH R20」のスコアを確認していこう。
シングルコアテストでは最高6GHzまでクロックが上昇するCore i9-14900Kが最も高いスコアを記録した。またRyzen 9 7950Xとの比較では、Ryzen Threadripper 7980Xでは約7%の差をつけられているものの、Ryzen Threadripper 7970Xでは約1%しか差がなく、コア数が倍になっているにも関わらずかなり健闘している。
そしてマルチコアテストについては、「CINEBENCH R15」と傾向はほぼ同じ。Core i9-14900Kとの比較でもRyzen Threadripper 7980Xなら約2.33倍、Ryzen Threadripper 7970Xでも約1.6倍という圧巻のスコア。Ryzen Threadripper PRO 5995WX(25,233pts)との比較でもRyzen Threadripper 7970Xでほぼ同等、Ryzen Threadripper 7980Xでは45%も上回る。
続いてメニーコアCPUへの最適化が進んでいる「CINEBENCH R23」のスコアを確認しておこう。
シングルコアテストでは、「CINEBENCH R15/20」に比べるとRyzen 9 7950Xとの差が広がっているが、それでもRyzen Threadripper 7980Xで約10%、Ryzen Threadripper 7970Xでは約6%とメニーコアCPUとしては良好なスコア。またマルチコアテストの結果はこれまでのテストと同様、Core i9-14900Kとの比較でもRyzen Threadripper 7980Xで約2.4倍、Ryzen Threadripper 7970Xでも約1.6倍とメインストリーム向けCPUを圧倒する。
「CINEBENCH」系ベンチマークのラストは、リリースされたばかりの最新版「CINEBENCH 2024」のスコアを確認していこう。
シングルコアテストの傾向は「CINEBENCH R20」に近く、Ryzen 9 7950Xとの比較ではRyzen Threadripper 7980Xで約6%、Ryzen Threadripper 7970Xでは約2%と接戦だ。またマルチコアテストについてはCore i9-14900Kとの比較でもRyzen Threadripper 7980Xで約2.5倍、Ryzen Threadripper 7970Xで約1.6倍とやはりメインストリーム向けCPUとは一線を画す性能を発揮する。