エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1362
2023.11.23 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まずトップバッターは、最高レベルの負荷をかけることができる定番ストレステスト「OCCT」の最新バージョン「OCCT 12.1.11」だ。プリセットはCPUとGPUの両方に同時に負荷をかける「Power」を選択し、テスト時間は30分間に設定した。
ちなみにOCCT実行時の消費電力は、定格の8割に迫る最大916Wだった。一般的な用途ではここまでパワフルな負荷がかかるシーンは珍しいが、引き続きその際の挙動を見ていこう。
ATX 3.0規格のデザインガイドによると、12Vは+5%/-7%の変動が許容されている。それを前提にグラフを見てみると、最も大きな変動幅は12VHPWRが下振れた0.5%ほどにすぎない。そして負荷がかかっている最中の出力がほぼ一定で変動がない点もお見事、常にブレのない電圧を維持できていることが分かった。
次に動作させるストレステストは、3Dベンチマークテスト「3DMark」に搭載されている「Speed Way Stress Test」だ。DirectX 12 Ultimateに対応する最新の3Dグラフィックスによる負荷を利用して、「ZM1200-TMX2 WH」の信頼性を確かめてみよう。先ほど同様、テスト時間が30分間に達するまで実行している。
なお、テスト中における消費電力は最大689W。700Wを下回り、電源ユニットの変換効率が最も有利な50%に近い負荷率で動作していた。
まずATXとCPU補助電源を見てみると、驚くほどにフラットな波形。アイドル時と切り替わるシーン以外はほとんど変動がなく、常に一貫した出力を維持できている。振れ幅としてはグラフィックスカードに給電する12VHPWRが最も大きいが、それでも0.5%程度。しかもフルロード中は11.93~11.94Vの範囲で動作しており、ほとんどブレのない電圧を供給できているようだ。
続いてはレンダリング系ベンチマークCinebenchの最新版「Cinebench 2024」が搭載している、GPUテストを動かしてみよう。テストを30分間連続して実行する「Minimum Test Duration:30 minutes」に設定し、その際の挙動を確認することにした。
テスト実行中の消費電力は、やや落ち着いた最大449W。定格容量1200Wの「ZM1200-TMX2 WH」にとっては、4割未満の軽めな負荷がかかっていたことになる。
かなり短いスパンで繰り返されるテストとあって、グラフの変動はかなり忙しい。ただし負荷自体がそれほど重くないためか、どの計測ポイントも上振れ・下振れともに変動幅が極めて小さい。低負荷な状況であっても常に一定の範囲内で出力を維持できる特性は変わらないようだ。