エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1362
2023.11.23 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
続いてより実際のゲームに近い負荷をかけるため、オンラインRPG「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」の公式ベンチマークを動作させる。グラフィックス設定を「最高品質」、解像度を3,840×2,160ドットにセットし、これまで同様に30分間ループで実行した。
テスト中の消費電力は最大で400W。今回の検証では最も少なく、定格容量の3割ちょっとの負荷に留まっている。
グラフの波形自体は異なるものの、負荷が軽いためかCinebench 2024と同様に変動幅は極めて小さい。どの計測ポイントでも下振れはほとんどなく、上振れもわずか0.3%ほど。負荷の軽重に関わらず安定して動作している。
同じく長時間のループ実行に対応したゲーム系ベンチマークから、続いてより負荷の大きな「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の公式ベンチマークを動かしてみる。グラフィックス設定は「高品質」をベースに最も負荷がかかるように項目を選択し、解像度は3,840×2,160ドットにセット。これまで同様に30分間連続で実行した。
ベンチマーク動作時の消費電力は最大700Wで、負荷率はもうすぐで6割と言ったところ。やや重めのゲームながら余裕のある負荷であり、変換効率の面では理想に近い動作環境だ。
アイドル時から切り替わるポイントで変動がある点は、これまでのテストと同様。ただしフルロード時の変動は小さく、ATXとCPU補助電源は概ね12.0~12.01Vの範囲で動作しているのが分かる。グラフィックス用の12VHPWRは描画の負荷に連動して動きを見せているが、変動幅は最大で0.5%の下振れに留まっている。どのような規模の負荷がかかっても、安定した動作が期待できる挙動だ。
狭小な筐体にハイエンド級のシステムを詰め込む“コンパクトで高性能”なマシンは、よほど日本人の琴線に触れるのか、長く根強い需要を保っている。中には高レベルなパーツの棲み分けを要求する難易度の高い小型ケースもあるところ、そうした向きに「ZM1200-TMX2 WH」はピッタリとハマる電源ユニットだ。
奥行きをわずか140mmに収めたことで、ほとんどミドル級電源と同じ感覚で1200Wの大容量を扱える。特にホワイトカラーの製品でこうした選択肢がないことは、冒頭触れた通り。コンパクトでハイエンド、なおかつホワイトで統一したいという、限定的ながら確実に存在するであろうニーズに対してのベストな回答と言える。
もちろんサイズ感とカラーだけが「ZM1200-TMX2 WH」の魅力ではなく、厳格な電圧レギュレーション下で動作可能な安定性の高さもトピック。軽重どちらの負荷でも大きな変動なく安定した出力が可能な特性は、電源ユニットへの最も大きな要求である信頼性の高さを示すものだ。
Cybenetics Lambda認証が証明するように、常時回転仕様ながらファンの騒音をほとんど意識せずに済む静音動作も見逃せない。近年ZALMAN製電源のキーワードになっていた、コストパフォーマンス以外で語れる注目の製品だ。
提供:ZALMAN
株式会社アスク