エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1367
2023.12.07 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ここからは「ROG STRIX Z790-F GAMING WIFI II」をベースにPCを構築して実際の動作を確認していこう。検証用のCPUは第14世代Intel CoreプロセッサのハイエンドモデルCore i7-14700Kを使用し、「Long Duration Package Power Limit」(PL1)と「Short Duration Package Power Limit」(PL2)は標準設定である「Auto」と、手動で125Wに設定した場合の2通りでテストを行っている。
ASUS「ROG RYUO III 360 ARGB」 実勢売価税込37,000円前後(2023年2月17日発売) 製品情報(ASUS) |
またCPUクーラーには、第8世代Asetek製ポンプユニットや、高風量・高静圧な「ROG AF 12S ARGB」ファンを組み合わせた360mmサイズラジエーター採用オールインワン型水冷ユニット「ROG RYUO III 360 ARGB」を搭載。ウォーターブロック部分には「AniMe Matrix LEDディスプレイ」を備え、「Armoury Create」で表示内容をカスタマイズできる。
CPUにはPコアが8コア/16スレッド、Eコアが12コア/12スレッドのハイエンドモデルCore i7-14700Kを使用 |
「UEFI BIOS Utility」を確認したところ、Auto設定では「Long Duration Package Power Limit」は253W、「Short Duration Package Power Limit」は4,095Wに設定されていた |
標準のAuto設定に加え、手動で「Long Duration Package Power Limit」「Short Duration Package Power Limit」をProcessor Base Powerの125Wに設定した状態でも検証を実施した |
アイドル時のサーモグラフィ結果 | 高負荷時のサーモグラフィ結果 |
シングルコアテストについてはやはり負荷が軽いこともあり、いずれの設定でもスコアに差は出なかった。またマルチコアテストを確認すると125W設定ではPコアが4.5GHz前後、Eコアが3.8GHz前後なのに対して、Auto設定では、Pコアが5.5GHz前後、Eコアが4.3GHz前後まで上昇し、スコアも約17%の差がついた。
なおVRMの温度は「ROG RYUO III 360 ARGB」のウォーターブロックには冷却ファンが無いため、「ROG MAXIMUS Z790 FORMULA」のテストよりは高いものの83℃で頭打ち。Auto設定で運用するのであればCore i7-14700Kはもちろん、Core i9-14900Kでも電源回路の冷却性能が不足することはないだろう。
またCPU温度は、Package Powerが260W前後まで上昇するAuto設定でも90℃前後に留まり、「ROG RYUO III 360 ARGB」の冷却性能は非常に優秀だ。