エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1368
2023.12.10 更新
文:編集部 池西 樹
続いて、実際にAdobe PhotoshopやAdobe Premiere Proのアプリケーションを使い、クリエイティブな処理性能を確認できる「UL Procyon」ベンチマークの結果をチェックしていこう。プリセットには画像処理性能を測定する「Photo Editing Benchmark」と、動画処理性能を測定する「Video Editing Benchmark」の2種類を使用している。
まず「Photo Editing Benchmark」のスコアを確認すると、DDR5-5200でも「Adobe Photoshop」を使用する「Image Retouching score」で約5%、「Adobe Lightroom Classic」を使用する「Batch Processing score」では約10%もDDR5-4000より高速で、総合スコアも約8%の差がついた。さらにDDR5-5600ではその差が約10%に開き、大量の画像を処理する場合には無視できない違いになるだろう。ただし、DDR5-6000のスコアはメモリタイミングの影響があるのか、DDR5-4000とほとんど変わらなかった。
「Adobe Premiere Pro」による動画ワークフロー性能を測定する「Video Editing Benchmark」では、スコア差は縮まっているものの傾向はほぼ同じ。DDR5-5200やDDR5-5600ではDDR5-4000に比べると確実にスコアが上昇するものの、DDR5-6000では大きな差はついていない。このことからAdobe系のアプリケーションを使用する場合には、メモリスピードだけでなく、メモリタイミングにもこだわる必要がある。
「Photo Editing Benchmark」メモリ使用量 |
「Video Editing Benchmark」実行時のメモリ使用量 |
またメモリの使用量を確認したところ「Video Editing Benchmark」実行時は最大約28GB、「Photo Editing Benchmark」実行時は最大で36GBを超えている。実際の運用ではさらに重い処理を行う可能性も高いことから、Adobe系のクリエイティブアプリケーションを本格的に使う場合は、メインメモリは最低でも48GBは欲しい。さらに高解像度の動画や画像を大量に扱うなら128GBや192GBといった大容量メモリの増設を検討したい。
続いて総合ベンチマーク「PCMark 10 Extended」を使い、パフォーマンスへの影響を確認していこう。
個別のプリセットで若干スコアにブレはあるものの、総合スコアの差は最大でも1%前後しかなく、今回テストした程度のメモリスピードの差では大きな影響はないようだ。
「PCMark 10 Extended」実行時のメモリ使用量 |
またテスト実行中のメモリ使用量は12GBを超えることはなく、オフィスユースやブラウジングなどの作業が中心ならメモリ容量は16GBあれば十分賄うことができるだろう。
続いて、3Dグラフィックスの定番ベンチマーク「3DMark」のスコアをチェックしていこう。プリセットは「Speed Way」「Time Spy」「Time Spy Extreme」「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の6つを使用している。
CPU関連のテストがない「Speed Way」や、GPUの負荷が高いWQHD解像度以上のテストでは、いずれもその差は1%未満で誤差の範囲に留まる。ただし、フルHD解像度の「Fire Strike」ではDDR5-4000とDDR5-5200で約3%、DDR5-6000では約4%スコアが上昇し、メモリスピードの影響が確認できた。