エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1369
2023.12.15 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
トップパネルに装着されるブロンズゴールド色のダストフィルターを外すと、天板には通気孔に交わるようにスリットタイプのネジ穴が確認できる。ここには120mmファンが3基、または140mmファンが2基増設可能。吸排気の強化ができる。さらにラジエーターは120/140/240/280/360mmサイズの搭載に対応し、多くのユーザーがこの面にオールインワン型水冷ユニットのラジエーターを設置する事になるだろう。
基本は排気方向に設置される、リアファン搭載スペースには「Jupiter AJ140」が1基標準で装備されている。なお120mmファン換装用のネジ穴もあり、任意で付け替えはできるが、このスペースでのラジエーター設置はサポートされていない。フルタワーPCケースとは言え、搭載スペースの周辺クリアランスは比較的タイトだけに、ここは致し方ないだろう。
組み立て済みケース版に標準装備される「Jupiter AJ140」は、単体(型番:FN-AJ140-1PK)および3個パック(型番:FN-AJ140-3PK)として、2020年9月より国内市場でも販売がスタート。アドレサブルRGBを内蔵し、独自設計とされる半透明ブレード9枚で構成される。
スペックは回転数500~1,400rpm、騒音値最大34dBA、風量最大100.45CFM、静圧1.56mm/H2Oで、軸受けにはスリーブベアリングを採用する。
あくまで個人的な感覚かもしれないが、In Winはボトム部に冷却ファンの増設スペースを割く設計が多い。DUBILIもまた120mmなら2基、140mmなら1基が搭載可能。ただしラジエーターの設置は非対応とされている。
後ほど触れる電源ユニットの有効スペースは公称180mm。ボトムファンを増設する場合は、両者の折り合いを付ける必要がある |
ここに冷却ファンを増設する意味は、拡張カード(主にグラフィックスカード)に直接風を当てる積極的な方法と、通常より外気をより多く取り込もうという、筐体内部全体のエアフロー改善(または強化)が想定できる。超ハイエンド志向のPCパーツ構成により、空気の循環がしにくい場合を除き、強く増設が推奨される場所ではないだろう。電源ユニットとスペースを分け合う関係上、余ったケーブルの行き場も失う事にもなりかねない。ここはいざという時の備えと考えるべきだ。
DUBILIには120mm冷却ファンが最大9基、140mm冷却ファンなら最大7基が搭載できる。これらをフル装備した際に利便性を発揮するのが、マザーボードトレイ背面に設置されたハブの存在。長方形の基板には8基分の4pinコネクタと、8基分のARGBコネクタが装備され、マザーボード上のコネクタを消費することなく一手に接続を行う事ができる。
なお基板下部にはSATA電源コネクタを備え、1本のケーブルで電源を供給。さらに冷却ファン用4pin(PWM)電源コネクタと、ARGBコネクタもここに接続され、マザーボードへ各1本ずつを接続すればいい。複数台冷却ファンが搭載できる拡張性をウリにするなら、今や必須の装備と言える。