エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1374
2023.12.26 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
高負荷時の挙動を確認するため、まずは定番のレンダリングベンチマークである「CINEBENCH」系テストを使用し、CPUのパフォーマンスと合わせてチェックしていく。最大6GHz程度で動作していた「AI Overclocking」による簡易オーバークロックでは、どのような変化が見られるだろうか。
PL値が事実上無制限に設定された環境でも、問題なくCore i7-14700Kの性能を引き出せている。そして「AI Overclocking」により最大6GHzまでクロックが上昇していたこともあり、「CINEBENCH R23」まではシングルコアで7~8%、マルチコアで3~5%のスコアが向上した。
さらにより正確な性能評価が可能とされる最新の「Cinebench 2024」では、シングルで10%以上、マルチで約7%もスコアが改善。機能を有効化して再起動するだけと手間は最小限ながら、目に見える形でパフォーマンスが向上するのは嬉しい。
続いては、CINEBENCH系で最も負荷の大きい「Cinebench 2024」を30分間連続で実行する「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:30 minutes」を実行し、その際の電源モジュールへの影響を見ていこう。
独自ユーティリティ「Armoury Crate」のVRM温度を参照したところ、高負荷時でも最大6℃の上昇に留まっている。周辺にエアフローが存在しない環境ながら、定格運用時と比べても発熱の上昇は緩やかで、簡易オーバークロックによる影響は最小限。多フェーズ構成の大規模な電源回路と十分な放熱性能を備えたヒートシンクという、充実した装備があってこその安定動作と言える。
サーモグラフィーで定格動作(左)とOC動作(右)時のヒートシンクを比較。VRMの温度上昇がそれほど大きくないこともあり、表面温度もあまり変わっていない |